男の子がパイロットやスポーツ選手を夢見るように。幼少期をスイスで過ごした水嶋ヒロが憧れを抱いたのは、相手を思いやり感謝を伝え合う、1組の老夫婦だった。俳優として目覚ましい活躍を見せていた2009年、水嶋は24歳で結婚。「温かい家庭を築く」という生涯の夢に向かって、歩き出したのだ。
2019年10月には、待望の第二子が誕生した。水嶋のブログからは、育児に奔走し寝不足になりながらも、日々の幸せを噛みしめるイクメンのリアルな日常が伝わってくる。現在は家族を生活の中心に据え、実業家やクリエイターなど様々な分野で才能を発揮する水嶋に、11年目を迎えた結婚生活への想いを聞いた。
辛かった子供時代、仲睦まじい老夫婦に抱いた憧れ
――水嶋さんは24歳でご結婚されていますが、結婚願望は早くからお持ちだったのでしょうか？
水嶋： そうです。子供の頃ってみんな「パイロットになりたい」とか、そういう夢があるじゃないですか。僕の場合はその夢が、温かい家庭を築くことだったので。小さい頃から、ずっと意識していましたね。
――温かい家庭を築きたいと思うようになったのは、何かきっかけがあったのでしょうか？
水嶋： スイスに住んでいた時に、馴染めなかったりして色々辛かったんですよね。そんな時に見た老夫婦の姿が、今でも目に焼きついていて。嫌になる気持ちを抱えながらスクールバスを待っている時に、決まって仲の良さそうな老夫婦がバス停の向かい側を通り過ぎて行くんですよ。ゆるやかな坂道なんですけど、どちらもお歳を召されていておぼつかない足取りで。男性が、女性のが手をとって、大切そうにパートナーを支えてあげている姿に、子供ながらに感動したんです。ちゃんと「ありがとう」と笑顔で言い合っていたのがなんとも、温かいなと。いつか自分も素敵なパートナーに恵まれて、温かい家庭を築けたら最高だなというのは、この頃からずっとあったんですよね。
「今は子育てで頭の中がいっぱい」協力し合う夫婦の日常
――素敵なエピソードですね。今、水嶋さんはご結婚されて11年目を迎えられたかと思いますが、どんな時に「結婚して良かった」と感じますか？
水嶋： 結婚して良かったことは沢山ありますが、いま真っ先に浮かぶのは子供に恵まれたということですね。
――第二子のご誕生、本当におめでとうございます。ブログには日々の愛おしいシーンが綴られていて、見ていて幸せな気分になります。
水嶋： その裏では寝不足で大変なんですけどね。今は子育てで頭の中がいっぱいです。
――オムツを替えたり、ミルクを飲ませたりといった育児も、お上手にこなされている印象を受けました。
水嶋： 1人目の時も最初の大変な時期はほとんどの仕事をセーブして、がっつり子育てに関わっていたので、割と経験値はある方なんじゃないかなと。自分なりのやり方で、色々工夫しながらこなせていると思いますね。
――奥様と育児や家事の分担はされているのでしょうか？
水嶋： 2人で手分けして一緒にやっている感じです。我が家の場合、朝のミルクをあげている間に洗濯を終わらせなきゃ、その間に食事を作らなきゃ、掃除しなきゃとか、やることが本当にいっぱいあるんですよね。だからお互いやれるところを自発的に見つけてやっていかないと、回っていかないというのが現状です。長女だって二匹の犬だって、きちんといままで通りケアしてあげないとダメですからね。
夫婦円満の秘訣は「感謝を示すこと」「何でも話すこと」
――お忙しい日々の中で、夫婦間のコミュニケーションで意識されていることはありますか？
水嶋： 常に感謝の気持ちを示すようにしています。やっぱり、すごく大事なことかなと。忙しくなるほど、そこが疎かになると、すれ違いにつながってしまうので。
――感謝を伝えるのは、本当に大切なことですよね。例えば食事の時間は会話をするようにするなど、意識的に話す時間を作ったりされているのでしょうか？
水嶋： 話す時はこの時間と決めずに、隙間が空いたら自然と話しちゃいますね。例えば今日の取材の話も帰ったらするはず。その日あったことはとりあえず全て、共有するというのが日課になっているし、その積み重ねが信頼にもつながるはずなので。
――これまでの結婚生活を振り返って、「大変だった」と感じたエピソードはありますか？
水嶋： 幸いにも僕らは何でも話し合えるし、振り返って後悔する瞬間は一秒たりともないです。結婚する相手によっては難しいことって色々とあると思いますが、僕の場合は幸い妻がすごく優しくて、僕のダメな部分を受け入れてくれているのが救いですね。
取材・インタビュー：水野梨香
撮影：Mayuko Yamaguchi
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