あれから2年、仮想通貨の可能性は今も…コインチェック和田晃一良氏に聞く
番組をみる »

 仮想通貨取引所「コインチェック」が顧客から預かっていた仮想通貨(暗号資産)「NEM」がハッキングによって流出、被害者は約26万人にものぼり、被害総額は約580億円に達した問題。あれからちょうど2年。当時、社長として謝罪会見を開いた和田晃一良氏がAbemaTV『AbemaPrime』の取材に応じた。

■被害者への全額補償も実施

あれから2年、仮想通貨の可能性は今も…コインチェック和田晃一良氏に聞く

 コインチェックは2018年4月、大手ネット証券「マネックス」グループの傘下に入って再始動。翌年1月には金融庁から認可を受け、仮想通貨取引所として事業を続けている。取材班が東京・渋谷区にあるコインチェック本社を訪ねると、広々とした執務室に、誰もいない席が並んでいた。「事業拡大を見越して席数を多めに作っている」(広報担当の繁田華那氏)。

あれから2年、仮想通貨の可能性は今も…コインチェック和田晃一良氏に聞く

 そして現在は副社長を務める和田氏。映像メディアの取材を受けるのは問題発覚後、初めてのことだという。「本当に忙しいさなかに起きた事件だった。最初に流出が発覚した時は、どうやって被害を防ぐか、どうやってお客様に対応するかということに必死に奔走していた」。

 当時の会見で和田氏は「最悪のケースとしては顧客の資産が毀損し、顧客から預かっている資産がお返しできないことだと考えている」と説明していた。しかし実はその後、被害の全額補償が実施されている。

あれから2年、仮想通貨の可能性は今も…コインチェック和田晃一良氏に聞く

 被害者の一人、お笑いコンビ「藤崎マーケット」のトキも、コインチェックに預けていたNEMが全て流出。“中古の高級外車1台分”の資産を失った。流出する前日がギャラの振込日で、そのほぼ全額を投資したばかりだったという。「頭が真っ白になった。貯金のほとんどがいったんで、財布に入っている2、3000円とICOCAに入っている8000円が所持金になってしまった」。直後に開かれた相方・田崎佑一の結婚式にも出席はしたもののご祝儀を渡すこともできなかったという。「代わりに、きれいなお花の絵を描いた。5、6時間かけた絵をプレゼントするという(笑)」。ところが翌月、全額補償が実施され、失ったお金が戻ってきた。“仮想通貨からは足を洗う”と宣言したことも報じられていたが、「下落しきったぐらいの時にちょっと買い足したNEMとリップルが今もちょっと残っている。今もコインチェックさん」。

■「今も可能性はある」

あれから2年、仮想通貨の可能性は今も…コインチェック和田晃一良氏に聞く

 今も犯人の目星はついていないと語る和田氏。一方「技術面では、当時はあまり行われていなかったコールドウォレット化を行った。仮想通貨をオフラインの環境で管理することで、攻撃者からはかなりアクセスしにくくなるので、安全度が非常に増すものになる。再発防止のために何をするべきなのか、どういうことが原因だったのか、言える範囲で同じ業界の他社(取引所)にもアドバイスしてきたつもりだが、その後もハッキング事件が起きているのは残念というか、もう少し私たちにできることはなかったのかなとは思っている」とした。

 日本でも過熱を見せていた仮想通貨市場に冷や水を浴びせる格好となったコインチェック事件。現社長の蓮尾聡氏は「世の中の期待値がかなり下がっているので価格もパッとしないし、何より取引量がすごく少ない。業界全体がかなり苦しい。当社自身、そんなに楽な状況ではないし、取引量が増えるなどの盛り上がりがないと、次につながらないと思っている」と打ち明ける

 さらにFacebookの「Libra」や「中国の「デジタル人民元」といったデジタル通貨の構想も登場する中、和田氏は仮想通貨の可能性について、今はどのように考えているのだろうか。その問いかけに、和田氏は「可能性はあると思う。もしLibraみたいなものが世界中で使われるようになって、銀行もそんなに必要ないというような世界になった時、逆に仮想通貨の使われる方は話題に上がってくると思う」と期待を滲ませていた。

あれから2年、仮想通貨の可能性は今も…コインチェック和田晃一良氏に聞く

 『真相解説!仮想通貨ニュース!』という番組の司会者を務めていたジャーナリストの堀潤氏は「ブロックチェーン技術をどう活用するのか、お金をテクノロジーで進化させていくかということが世界の潮流なのに、あの不祥事によって日本では業界の信用が失われたのは不幸なことだった。管理体制もしっかりしていないのにテレビCMを打つなどした結果、失われた数年を作ってしまった責任は重い」と指摘。マネーパートナーズグループの奥山泰全代表は「あの事件を機に交換業者の内部の体制や安全基準が飛躍的に高まったという側面はあるが、一方で“仮想通貨はオワコンなんじゃないか”というように見られるようになってしまったことは非常に残念なことだと思う。世界の取引量は増えているのに、日本の市場だけがシュリンクし、2年前の30分の1になってしまっている」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶映像:コインチェック創業者を直撃!仮想通貨

AbemaPrime【平日よる9時~生放送】 - 企画 - コインチェック創業者を直撃!仮想通貨 | 動画視聴は【Abemaビデオ(AbemaTV)】
AbemaPrime【平日よる9時~生放送】 - 企画 - コインチェック創業者を直撃!仮想通貨 | 動画視聴は【Abemaビデオ(AbemaTV)】