元AV出演者たちの権利をどう守る?大島薫、鈴木涼美、紗倉まなが本音トーク
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 “アダルトビデオの帝王”と呼ばれた村西とおる監督による1990年代のビデオ撮影を追ったドキュメンタリー映画で、登場する女性の一人が承諾なしに過去のヘアヌード映像を使われたとして配給元に抗議した。制作側は女性が映った場面を削除し公開を継続している。23日のAbemaTV『NewsBAR橋下』では、橋下氏、タレントの大島薫、作家の鈴木涼美氏、そしてAV女優の紗倉まなが、AV出演者の権利について語り合った。

橋下:ものすごく微妙な問題があって、映画は“ワンチャンス主義”といって、最初に撮ることを承諾してしまうと基本的に後の権利はなくなってしまう。だからDVD化するとか、インターネット配信できるといったことも含めて最初にきちんと契約をしないといけない。テレビの放送の場合、それがないので権利が主張できるし、再放送する場合は全員の演者に許諾を取らなければなくなっている。今回、AVの映像が映画の中に映り込んでいるということであれば、権利を主張できるはずだが…。

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鈴木:最近ではAV業界の認識も変わってきた。もともとは現場に対してギャランティが払われるという形だったし、それでできた作品の一部が後に“巨乳セレクション”みたいなオムニバスの形になって発売されても、女優は知りもしないし、お金も発生しなかった。私の映像もそういったものに使われていると思うが、それに対して権利は主張しないというのが通例になっているし、契約内容をちゃんと見ている女優さんは少ないと思う。

大島:僕も本を出したり、文春に撮られたタイミングで過去の映像を使ったものが出てくる(笑)。

橋下:最初の契約でオムニバスも作ると決められているのであれば、後で何をされても自由なんだけどね。あるいは、演者の名声を傷つけるような編集、改変の仕方がされていないかどうか。

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鈴木:さらに言うと、私が出演していた頃はレンタルビデオ店の店頭から無くなれば、ある種もう出てこないものというイメージがああったけれども、今は配信なので永遠に残ってしまう。私は事後的にネット配信されてしまった世代。当然、その部分の契約はしてないし、やられ放題。もちろん過去の経歴を明かして仕事しているからいいけれど、隠している子もいっぱいいる。10年経ったら消してくださいというような要求ができるようにはなっているが、それでも全てを消すことはできない。

大島:僕は男性だし、事務所に所属していた当時“こういう出し方はイヤです”とか、“これはどうなってますか”とか、割と言った方。だいぶクリーンになってきたとはいえ、例えば女の子が男性たちに囲まれたとき、どれだけ優しい口調で話をされても“ここで面倒くさいことを言ったらどうなるんだろう”みたいな怖さはあると思う。

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紗倉:以前はプロダクションとメーカーが契約を結んでいたので、女優さんが目を通すのも大変だった。ここ2、3年で、契約の結び方も少しずつ改善されてきている。去年の4月頃からはメーカーに義務が課せられて、二次使用をする場合はAVAN(AV人権倫理機構)から 使用料が振り込まれことになっている。ただ、今もきちんと理解した上で契約を結べている女優さんは少ないと思う。

大島:過去に出演した作品の使用料を払いますと言われても、“触れないで下さい”という人もいる。ちゃんとしようとしても難しい面もある。

鈴木:例えば私と紗倉さんがレズビアンもので共演したとして、私が“今も女優を続けているから消されたくない”、紗倉さんが“もう辞めていてるから消してほしい”となったとき、二人の権利が角逐する場合もある。そういうときにどうするのかという問題もある。(AbemaTV/『NewsBAR橋下』より)

▶映像:ゲストに鈴木涼美氏と大島薫氏を迎えトーク

ゲストに鈴木涼美氏と大島薫氏を迎えトーク
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