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 ドラマ「僕だけが17歳の世界で」(AbemaTV)が2月20日よりスタートした。17歳、お互いのことを「好き」だと気付いた幼なじみの航太と芽衣。しかし、思いを伝えられないまま航太はこの世を去ってしまった。そして7年後の2020年。24歳に成長した芽衣の目の前に、17歳のときのままの航太が突然現れた――。幼馴染の2人を演じるのは、佐野勇斗(M!LK)と飯豊まりえ。甘く、切ないファンタジーラブロマンスを2人はいったいどう演じるのか。作品への思いを聞いた。

「この作品はなにかのきっかけになる」飯豊まりえ、覚悟を持ってのぞむドラマ撮影

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――本日はよろしくお願いいたします。まずは、今回のドラマの出演が決まったときの最初のお気持ちを教えてください。

佐野勇斗(以下、佐野):実は僕、普段は集中して台本を読むのが苦手なんですよ。でも、今回は作品の魅力に引き込まれて一気に台本を読み切ってしまいました。ただ、実際に僕が演じるとなると、難しいところもあるかなという思いもあり、期待と不安が入り混じった気持ちでした。

飯豊まりえ(以下、飯豊):プロデューサーの藤野良太さんは、 13歳の時からお世話になっている方で、久しぶりにお声がけいただいてうれしかったです。ほかのスタッフさんも気心が知れていて。最初から素晴らしい環境が整っているので、この作品はなにかのきっかけになるだろうなって直感で思いました。120パーセントでやりたい、妥協したくないという気持ちで挑んでいます。

――現場の雰囲気はいかがですか。

飯豊:めちゃくちゃいいです! これは声を大にして言います! ノンストレスです!

佐野:めちゃめちゃいいよね。共演者もスタッフさんもいい人ばっかりです。

飯豊:スタッフさんが、撮影が終わったら毎回ご飯に誘ってくれるんです。食事をしながら「次の撮影のときにはこうしようぜ!」って演技について熱く話してくれので、毎回やる気が高まります。

佐野:ただただ「よかった」と褒めてくれるだけじゃなくて、もっと良くなるために指摘もガッツリしてくれるから、信用もできる。自分のやりたいことをぶつけられる現場ですね。

飯豊:撮影スタートから3日目にして泣くシーンがあったのですが、緊張して涙があまりうまく出なかったんです。なのに、撮り終わったらOK出てしまい……。落ち込んでいたら、監督が「後日、もう一回撮り直す」と言ってくれたんです。そんなことは異例ですよ。監督が、「飯豊さんのパフォーマンスを最大限に導くことができなかったは僕の責任です」って言ってくださって。こんなにチャンスをくれる現場って珍しいと思うので、期待に応えたいです。

佐野勇斗、自身の演じる航太に共感「自分で言うの恥ずかしいですが、めっちゃ似てます」

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――今回、航太と芽衣という役を演じられています。演じながらキャラクターとの共通点を感じることはありますか。

佐野:プロデューサーの藤野さんが当て書きしてくれたんです。自分で言うのは恥ずかしいですが、よく似ています(笑)。そのまんまかもしれない。そんなにお会いしたことないのに、なんでこんなに俺のこと知ってるの? みたいな。学校でもいじられキャラなところとか。

飯豊:わかる。イメージつく(笑)。航太はものすごくチャーミングな少年なんですけど、佐野君もとってもチャーミング。17歳のころのステキな部分がそのまま残った22歳って感じです。ちゃんと17歳に戻れてるよ。

佐野:ホント?

飯豊:17歳のころを知らないけど(笑)。

――飯豊さんも芽衣はご自身に似ていると思いますか?

飯豊:とっても近いと思います。高校時代は、あんな感じでした。振り返ってみると、あの頃は根拠のない自身があって、何に対してもポジティブで過ごしていたなと思いました。撮影中に「(24歳の芽衣を演じるにあたって)酸いも甘いも知ったでしょっ」と監督に言われたことがあって、私は全然(酸いも甘いも)知ってるわけではないけど、今は、どこか落ち着いて客観的に見たりするような部分があるので、24歳の芽衣の気持ちもわかる。この作品に取り組みながら自分を振り返れるといういい時間を過ごしています。

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――佐野さんは一人だけ17歳のままですが、役作り上、意識した部分はありますか。

佐野:みんなが高校生のシーンはあまり苦労なく演じられたのですが、24歳になってからは迷うことがあります。重いシーンがあるんですよね。そんな空気の中で、17歳の僕がどこまで子供でいていいのか加減が難しい。逐一、監督から「17歳じゃなくなってるぞ」とお声がけいただくのでありがたいです。

――飯豊さんは演じている中での苦労点はありますか。

飯豊:久しぶりに恋愛ものを演じるのはとっても難しいです。ここで胸キュンして、ここでハッとして、ここで相手のことを思う、でも涙は流さない、とか。気持ちの抑え方、出し方のバランスが難しいんです。時々「もっと恋している感じを出して」って言われると、まずいなって、苦戦しています(笑)。

飯豊まりえ 佐野勇斗の印象は「初めて共演したと思えない」「心地がいいっていうのはこういうことなのかな」

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――今回のドラマは、幼馴染の恋愛を描いています。幼馴染ならではの独特な雰囲気を出すためになにか準備はされましたか。

飯豊:撮影前は、ずっと佐野さんの動画や、インタビュー記事、作品などをずっと見ていました。実は私は人見知りなんです。じっと目を見つめたり、見つめられるのが苦手。だから、写真や動画で見慣れておきました(笑)。

佐野:そのおかげで、僕も仲良くなれたんですよ。

――飯豊さんは、どんなことを考えながら佐野さんのことを調べていたんですか。

飯豊:単純にもっと知りたいって思っていました。なにかの映画のプロモーションで、お客さんから水をかけられるというドッキリを仕掛けられている動画を見たんです。その時のリアクションで、すごくいい人ってわかりました。普通は怒ってもいいようなところを全く嫌な顔をせず、「え、なにが起きてるの?」みたいな。ぽかんとしてて(笑)。

佐野:ホントにいろんなことを先に知ってくれてて(笑)。おかげで話が弾んだし、一気に距離が縮まりました。まさに、まりえ様様です。ありがとう。

飯豊:こちらこそ。

――入念な下調べをしたのちに、撮影に入ったんですね。

飯豊:普段以上に気合の入る作品だったんです。環境を万全に整えておきたいと思いました。

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――実際に長い時間一緒に過ごしてどんな印象を持たれましたか。

飯豊:初めて共演したとは思えないくらいやりやすいです。すごくいい人。

佐野:同じ言葉を返します。

飯豊:私はせっかちなんですよ。だけど、佐野君は自分のペースをしっかり持っています。私がお芝居で焦ってしまうときがあるんですが、彼がどしっとしているから、自分も落ち着くことができる。とてもありがたい。心地がいいっていうのはこういうことなのかな。

佐野:あらうれしい。

飯豊:佐野君を見ていると落ち着いて深呼吸できるんですよね。

佐野:僕がマイペースにできているのは彼女のお陰です。普段は、自分を出せないんです。こんな風にマイペースにいられる現場は珍しいんです。

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――本当に初共演とは思えないほどの仲の良さが伝わってきます。今回ドラマの中では、言ってほしかったことを言ってもらえないまま、言いたいことを言えないまま、航太が亡くなってしまいます。そこで、この場を借りて、お互いに「言いたいこと」を一つどうぞ!

飯豊:不満ある?(笑) もっとここをこうして欲しいとか。

佐野:本当にないかも。逆にあるでしょ?(笑)

飯豊:え~、思いつかない。感謝の言葉も毎日言い合ってるもんね。

佐野:いいところを発見したらすぐに言っちゃうし(笑)。

飯豊:あ! 撮影が終わってぱたりと連絡がなかったら寂しいかも。これからも相談があったら乗ってください。

佐野:もちろんです。実は、俺も撮影が終わったら途切れちゃうのかなって感じてた。(同級生を演じた)5人のメンバーで、キャンプ行こうって話をしたんですけど、絶対に行かないだろうって心の中で思ってた。

飯豊:私は行きたいって思ってるよ。

佐野:誘われたらいくよ。4人がいくなら絶対に行くよ。

――ぜひ、撮影が終わっても仲良し5人組でいてください(笑)。では最後に、作品の見どころをお願いします。

佐野:ただの恋愛ものじゃないです。大人が見ても楽しめる、人間ドラマの要素も含んでいます。僕らも演じていて気付ける部分があるので、見る人も人生が豊かになるかもしれないなと思いました。薄い言葉になっちゃいますが、いい作品です。

飯豊:これから17歳になる人も、今17歳の人も、もう17歳を経験した人にも、全ての人にいろんな響き方をする作品です。とくに最近の若い子は、ラブストーリーを見る機会は少なくなっていると思います。このファンタジーを通して、恋愛、人の大切さに、興味を持ってもらいたいなって思いながら演じています。

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 第1話ラストには、24歳になった芽衣が再び桜の木の下を訪れた時、芽衣の目の前にはあの頃の「17歳のまま」の航太が登場。一体、航太はなぜそのままの姿で今になって現れたのか?あの日、本当はなにがあったのか?2人の恋の行方はどうなるのか?気になる第2話は2月27日(木)23時より放送される。

テキスト:氏家裕子

写真:You Ishii

▶︎動画:「僕だけが17歳の世界で」#1 桜の木の下

僕だけが17歳の世界で - 本編 - #1 桜の木の下
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僕だけが17歳の世界で #2 空白の7年
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