「賛成。安倍総理はよく決断された」大阪府知事時代に“一斉休校”を指示した橋下徹氏
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 安倍総理大臣は27日午後に開かれた政府の新型コロナウイルス対策本部で、感染の拡大を防ぐために全国の小学校、中学校、高校と特別支援学校について、春休みを前倒しして来週月曜日から臨時休校にするよう要請した。

 同日夜のAbemaTV『NewsBAR橋下』に出演した橋下徹氏と、作家で東京都教育委員の経験もある乙武洋匡氏が、この問題について議論した。

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 乙武氏は「データから見ても、デメリットを考えると打ち手としてはどうか。特に低学年のお子さんを抱えている一人親家庭、共働き家庭はどうするのか。先行して休校が始まっている北海道では、さっそく看護師の方が出勤できないことから、診療をとりやめた医療機関が出ている。これでは本末転倒ではないか。やるにしても全国一律ではなく、感染の広がり具合を見て地域ごとに色を付けてもよかったのではないか」と指摘。さらに「休業補償や雇用調整助成金なりとセットでやるべきではなかったか。フリーランスや自営業の方などは経済的に大打撃だ。3月2日まであと数日しかないのに、それまでに迅速に対応ができるのか」と疑問を呈した。

 これに対し、2009年に新型インフルエンザが流行した際、大阪府知事として府内の学校の一斉休校を決断した橋下氏は「賛成。規模は全く違うが、大阪のこと思い出した。僕も色々言われながらも一斉休校をかけた。その半年前、表敬訪問に来たWHO幹部とパンデミックの話になった。僕が“政治家としてやらなきゃいけないことはなんですか”と聞いたら、“人の移動を止めることです。法治国家、民主主義の国では政治家が止めるしか無いんです”と。だから根拠はあまりなかったが、高校生の間で広がりそうだということになり、2例目が出た段階で号令をかけた。スペインかぜが流行った時、人の活動を止めたセントルイスと、何もやらなかったフィラデルフィアでは、感染の度合いに明らかに差が出た歴史的事実があるが、実際、3年後の検証結果で、全国と大阪の数字を比べた時に、大阪の方が低かった」と自身の体験談を披露。

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 その上で「問題は、感染を止めるという話ではなく、ピークを抑えようという話だということだ。今回の新型コロナウイルスは、最終的にはインフルエンザ程度で収まると思うが、感染症というのは増える時にはワーッと増える。そうなると医療機関が対応できなくなるから、ピークを抑え、なだらかに感染させなければいけない。それには今しかないということで、安倍さんが一か八かで決断したんだと思う。僕が役所の皆に止められたように、安倍さんも政府の中で反対に遭ったと思う。その中で最後によく決断されたなと思う。失敗するかもしれないが、その時は安倍さんが謝って、責任を取ればいいこと」とした。

 また、乙武氏も指摘する一人親家庭や共働き家庭の問題については「これが日本の政治行政が強くなれるかのポイントだと思う。決められた方針に従って不都合さを乗り越えるのが役人の仕事。こういうときは危機の量を少なくするのが鉄則。クルーズ船の問題も、3700人全てを抱えたから失敗した。すでに大阪市や千葉市では、教員は出勤しているから、どうしても子どもを家で見られない場合は学校で預かると言っている。それでいい。そういう知恵で乗り切らないと。僕は日本の役人ならできると思う、徹夜作業にはなると思うが、総動員で乗り切って欲しい」と答えた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶映像:懸念を示す乙武氏と賛成派の橋下氏による議論

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