将棋の藤井聡太七段(17)が3月3日、順位戦C級1組の最終10回戦で真田圭一八段(47)に88手で勝利した。既にB級2組への昇級を決めていたが、10戦全勝で昇級に自ら華を添えた。
昨期、9勝1敗の好成績ながら惜しくも昇級を逃した藤井七段だったが、今期は1回戦から安定感抜群の対局を続け、連勝街道を一直線。タイトル戦を除けば持ち時間が最長の順位戦において、対局を重ねるごとにペース配分も巧みに。他の棋戦ではタイトルホルダーや、A級棋士との対局を増えて来た中、格の違いとも言える強さを見せつけた。本局もじっくりとした序中盤から、じわじわとリードを拡大。タイトル挑戦歴もある真田八段に対して、逆転を許さず堂々と勝ち切った。
対局後、藤井七段は「序盤から力戦模様になって、最終的にはこちらから仕掛ける手段が難しい形になったので、少し作戦負けかなと思っていました。飛車が攻めに使えるようになったあたりで好転したのかなと思いました」と振り返ると、全勝での昇級については「今期は全勝を目標にしていましたので、いい形で終われたのかなと思います。(B級2組は)順位戦で力を発揮される棋士の方が多い印象で、来期もまた大変な戦いになるとは思いますが、1局1局全力を尽くせればと思います」と抱負を語った。
今期昇級を決めたことで、藤井七段には最年少名人の可能性が残った。来期からB級2組、B級1組と1期抜けし、A級で挑戦権を獲得、さらに名人戦七番勝負を制すれば、谷川浩司九段が保持する最年少記録、21歳2カ月を更新することができる。
【終局時の残り持ち時間】
真田圭一八段 0分(消費6時間) 藤井聡太七段 58分(消費5時間2分)