2月28日にシンガポールで開催されたONE Championship。試合の模様を中継したAbemaTVの中継では、格闘好きで知られるSKE48の松井珠理奈、キックボクシングの那須川天心といった豪華ゲスト陣が登場したが、視聴者が注目したのがONEに参戦している青木真也の“ピタリ”と当たる解説だった。特に第2試合のムラド・ラマザノフ(ロシア)とペ・ミョンホ(韓国)の試合では、寝技の展開で試合を一度観たかのように展開を予言し驚かせた。
5年間の格闘履歴がないナゾのロシア人選手、ラマザノフは、UFCのハビブ・ヌルマゴメドフやONEのザイード・フセイン・アサラナリエフなど注目のファイターを輩出し続けている「格闘民族」ことダゲスタン共和国出身。一方、ベテランの韓国人ファイターであるミョンホは、日本のMMA団体への参戦経験があり、元Legend FC王者などの実績、兵役で4年のキャリア中断を経て現役に復帰。昨年ONEと契約して、これが初陣となる。
この試合で青木はラマザノフという選手について「所属ジムも知らないし全く未知の選手」と前置きしつつも、試合がはじまると技の展開を次々と言い当てていった。
青木が「(ラマザノフが)足を束ねたので立ちづらくなります。立とうとするとぺ・ミョンホ選手は背中を向けざるを得ない、そこで(ラマザノフが)バックです」と指摘した通りに、寸分の狂いもなく寝技が展開すると、視聴者から「青木さんさすがやな」「言うとおりになってて草」とその的中率に驚きの書き込みが。
さらに解説は続き「今(ラマザノフが)ハーフガードにしてバックからマウントに行くと危ない、フィニッシュが近い、フィニッシュあります」と話すと、コメントを聞いていたかのようにラマザノフがパウンドの連打。抵抗できないミョンホを見たレフェリーが試合をストップすると「青木すげーな」「青木の目は確かだな」とのコメントが並んだ。
現役日本人選手の中でも技術力に定評のある青木だが、この日の解説には「的確でわかりやすい」との意見が寄せられた。
さらに試合後、青木自身がツイッター上で「みんな解説どうでしたー?」と呼びかけると「天心選手とキックの技術論を交わされてたところ、すごく興味深かったです」「分かりやすかったです! 知識がないので青木さんの解説がなければただ、痛そう! とかすごい! だけに留まるところでした」などのリアクションがあった。
ある視聴者は「青木真也って格闘技界の野村克也みたいな感じになってくのかな」とコメント。寝技の攻防など判り難いことも多い総合格闘技中継で、マニアから初心者まで伝わりやすいと好評だった「格闘解説のノムさん」こと青木真也の解説に今後も注目したい。