「ティッシュ・メーカー、トイレットペーパー・メーカーにとっては迷惑だ」
新型コロナウイルスによるマスク不足やネット上でのデマなどに端を発し、列島を揺るがす事態にまで発展した“ペーパー品薄”騒動に対して、元大王製紙会長・井川意高氏が持論を展開。「迷惑どころか、往復ビンタだ」と製紙業界の本音をぶちまけた。
8日にAbemaTVで放送された『Abema的ニュースショー』に出演した井川氏は「マスクは確かに需要が伸びている。しかしティッシュやトイレットペーパー・メーカーにしてみれば実需要が伸びているわけではなく、単なる買いだめなので年間を通してみたら量は一緒」と特需をきっぱり否定した。
さらに井川氏は「製紙業界は損益分岐点が高く、操業率が落ちるとあっという間に赤字。365日設備を回すので操業率は90%を超えているはずで、そもそも増産余力がない。売れているから何とかしてたくさん作るが、便乗値上げを社会が許してくれるわけもない。その結果、数カ月後には買いだめしたものを使うようになるので、売れなくなる。そのうえ、小売りさんからは『売れてないんだから値段下げてよ』となる。需要が減って、値段を下げさせられる。まさに往復ビンタだ」と製紙業界の舞台裏を明かした。
一同が驚いた様子で井川氏の話しに耳を傾けていると「儲けてるんだろとか、譲れとか、そういった話が来るんですけどね…」と苦笑いを浮かべていた。
【映像】「往復ビンタだ」製紙業界のホンネ
【その他の注目記事】
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側