世界で新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化している。アメリカ・ニューヨーク州では封じ込め地域を指定し、州兵を動員して学校や公共施設を閉鎖すると発表。一方、イタリアでは感染者数が1万人を超え、中国に次ぎ世界で2番目となっている。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は9日、「パンデミックが現実的になってきている」とコメント。3日の記者会見では、新型コロナウイルスの致死率がインフルエンザを大きく上回ると推計し、0.7%から3.4%に修正していた。
そんな中、『ニューズウィーク日本版』(3月17日号)では、「豪華客船が教える致死率の真実」と題した分析記事を掲載している。ジェレミー・ファウスト氏(ハーバード大学医科大学院 公衆衛生の研究者)によると、同船の乗員乗客3711人のうち陽性判定が705人、死者が6人で、致死率は0.85%。高齢者の致死率が比較的高く若者は低いことから、いま資源を集中して投入すべきなのは重症化しやすい既往症患者や高齢者のいる老人ホーム・病院の対策であり、健康な人が恐怖に駆られてマスクを買い込むのは浪費以外の何物でもないとしている。
この記事について同誌の長岡義博編集長は「ダイヤモンド・プリンセスがひとつの巨大な実験室になった。外部と人の行き来がない、ある程度密閉された空間であり、ここで出たデータは新型コロナウイルスの『スペック』を示すデータと考えてよいだろう。ここではじき出された致死率は0.85%。乗客には高齢者が多かったが、実社会では若い人が多いことを考えると、実際の新型コロナウイルスの致死率はもう少し低くなる可能性もある」と説明する。
また、「日本ではインフルエンザで毎年3000人が亡くなっている、とされている」とした上で、「これと比べて、今回のコロナウイルスはパニックになるほどの病気なのか。感染率は高いものの致死率はそこまで高くない。この病気に対して、どういう態度を取るべきなのか。若者がマスクやトイレットペーパーの買い占めに走るのは正しいのか。むしろ、病院や老人ホームなど重症化しやすい患者がいる場所に資源を集中すべきだ」と付け加えた。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
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