その顔と体の8割以上は漫画・アニメで作られているかもしれない。AbemaTVの女子アナウンサーとして活躍する藤田かんな。アナウンサー歴も3年目となり、バラエティ番組を中心に、人気芸能人たちとも軽快なトークをこなせるように成長した。そのルックスから、プライベートもキラキラ系かと思いきや、実際のところは漫画・アニメをこよなく愛するサブカル系。「実家には漫画喫茶みたいな部屋があります。深夜アニメは毎クール、10作品以上は観ています」という藤田アナの、異世界ではなく現実世界のサブカル生活を聞いてみた。
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2人の弟を持つ姉として育った藤田アナだが、幼少期からサブカル英才教育が施された。「お父さんもオタクでした！」と話す藤田アナは、父の影響からか少年、少女漫画問わず幅広く作品に触れ、毎朝の日課は弟たちと新聞のテレビ欄チェック。「どのアニメを観るか丸をつけて、全部録画しました。全て観て、暗記して、セリフを言い合うなんて遊びもしていました！」というから“本物”だ。「当時は特に『金色のガッシュベル！！』が大好きでした！自分でオリジナルの魔物を考えて描いて楽しんでいましたね。キャンチョメが好きだったんですよ！あぁ、懐かしい！ 『チッチッチッチ おっぱい ぼいんぼい～ん』って歌があるのですが、本当に大好きで、毎日歌っていました（照）」。ルックスからは想像がつかないワードも、自然と飛び出るのが藤田アナの良さだ。
弟のものである通称「漫画部屋」だけでは飽きたらず、父の部屋では毎週増える「週刊少年ジャンプ」や、単行本を読みふけっていた。風呂に入れば、父がアニメソングを口笛で吹き、イントロクイズで当てる遊びが、藤田家の日常だった。「『銀魂』は弟に借りて読みましたね。アニメを3回は見直しました。今でもBGMとしてアニメのテーマソングを流していますよ！」。自然と心を落ち着くのだと言う。
学生時代は、ハロウィンのコスチュームやロリータファッションのモデルを経験。そのためコスプレには「抵抗意識がない、むしろキャラクターになりきりたい！」と、熱い思いがほとばしっている。「実は、作るのも結構得意です！洋服もミシンを使えば作れます」という本格派だ。3月に開催予定だった「AnimeJapan 2020」では、人気アニメ「かぐや様は告らせたい～天才たちの恋愛頭脳戦～」の主要キャラクター、藤原千花のコスプレで「合わせ」をやるつもり満々だった。「飯窪春菜ちゃんがお友達で、かぐや様をやってもらおうかと。あと栗原類君には、石上君をやってもらうつもりでした！」。ポンポンと人気タレント・モデルとの交友関係が出てくるあたり、さすがはモデル出身者だ。
アナウンサーとなり業界関係者と触れ合う機会も増えたことで、アニメに対する思いも変わってきた。ファンの一人から、作品に携わりたいという気持ちが芽生えてきた。「声優業のおもしろさを感じてきました。共演した声優の方々は、本当にキャラクターが強くて（笑）リアクションも上手で尊敬しています。声優さんたちとももっと仲良くなっていきたいですね」と、同じ声の仕事ながら、抜群のパフォーマンスを発揮する人々に憧れ始めた。子どものころには、好きなキャラクターのものまねをして遊んでみたが、プロの力を身近に知ってしまった今となっては「恥ずかしくてできないですね」と苦笑い。ただ、それでも「住民Aとか、村人Aとか、なんでもいいのでやってみたいです」と、思いは高まる一方だ。
アナウンサーとなったことで「低いですよね」という声質とも向き合えた。「少年とか、動物とかがいいのでしょうか。人の役でなくてもいいし、むしろそれがいいです！」と、また新たな夢が生まれた。大好きなのは、幅広い演技、歌唱、ルックスで人気の内田真礼。「かわいいだけじゃなく、表現力もあって、お歌も上手で、勝てるところがどこにもない（笑）」とお手上げ状態だが、あまり例のない「アナウンサー声優」というところには、チャンスを感じている。「確立できたらいいなと思いつつ、話していたらちょっと恥ずかしくなってきました」。アニメの世界であれば、異世界に行ったり魔法を使ったりすれば、違う者になれるが、現実世界はそう簡単でもないと、少し照れ笑いした。
「アナウンサー×アニメ」という関わりを考えれば、取材もしてみたい。「アニメのニュース番組とかあったらおもしろいですね」と、目を輝かせた。「どこに取材に行きたい？どうしようかなー。やっぱり『銀魂』ですかね。作者の空知英秋さんに会いたい！」と意気込むと、聞きたいことは「何を考えているのか、どういう生活しているのか、どんなお母さんから生まれて、どんなもの食べているのか、なんで自分をゴリラにしているのか…」。大ファンだけに、全てが知りたいようだ。
漫画・アニメに囲まれて生まれ、共に育ち、今度は寄り添うどころか、アニメの“中の人”にまでなろうとしている。「女子アナ・藤田かんなの異世界じゃないサブカルな日常生活」は、この春で第何期だろうか。
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