3月13日から14日にかけ、芸能事務所YU-Mエンターテインメントが『25時間半テレビ~アイドルと未来へ向かう場所~#愛で山田を救ってくれ』をネット配信した。番組後半にはライブハウス・柏PALOOZAから無観客ライブイベントを中継している。
アップアップガールズ(仮)、和田彩花など多くのアイドル、タレントが所属するYU-Mではライブの中止が相次いでいる。エンターテインメントを提供する会社としては日々、マイナスが積み重なっていく状況だ。
しかしそこは“アイドル界で最も戦闘的なグループ”とも言われるアプガ(仮)を擁する事務所。あくまで攻めの姿勢でこの番組を企画、またアイドルたちを支援するクラウドファンディングのスタートも告知された。「アイドルたちが未来へ向かえるよう応援お願いします」とアピールした山田昌治社長は「この企画が成功しないと、来月からタレントへの支払いができない」と赤裸々な告白も。
ライブはもちろん、番組内ではさまざまな企画を実施。その一つにはプロレスの試合もあった。YU-Mには東京女子プロレスで活躍するアップアップガールズ(プロレス)が所属しているのだ。
(自身もユニット「アラフォーおじさん」を結成、リングで体も張った山田社長)
アイドルとプロレスの完全同時進行で活動するアプガ(プロレス)らしく、彼女たちの出番は歌→試合→歌という構成。3試合が行なわれ、第1試合は乃蒼ヒカリがシングルマッチで鈴芽に勝利。2試合目は愛野ユキ&らくが瑞希&原宿ぽむを下した。
そして最後の試合には東京女子プロレスのタッグ王者である辰巳リカ&渡辺未詩が登場。中島翔子&天満のどかと対戦し、カナディアンバックブリーカーとツイスト・オブ・フェイトの合体技でチャンピオンチームが勝っている。全勝のアプガメンバーたちは、着実な成長を大事な舞台で示したと言っていいだろう。
リングアナウンサーをアプガ(仮)の佐保明梨が務め、実況席にはアプガ(仮)の森咲樹、さらに和田彩花も加わるというこのイベントならではの布陣。試合後の「アッパーキック!」ライブでは、ヒカリが山田社長にコブラツイストを仕掛ける場面も。
業界屈指の“鬼軍曹”として、担当アイドルを厳しく育て上げることで知られる山田社長が悶絶する姿も含め“こんな時だからこそ”なお祭りが展開された。
転んでもただでは起きない姿勢は、東京女子が属するDDTグループとも共通するもの。スポーツ、エンタメ業界の底力を見せる番組だった。
文/橋本宗洋