新型コロナウイルスの感染拡大に伴うマスクの需要に対し、転売ヤーと呼ばれる人たちがネットで転売を繰り返していることが問題視されている。これに対し、政府は転売を禁止(違反者には1年以下の懲役か100万円以下の罰金が科せられる)する措置を講じた。この問題について、3月19日のAbemaTV『NewsBAR橋下』でも、橋下徹氏と経済学者の竹中平蔵氏が言及した。
竹中:教科書によく出てくる例だが、雨の日に傘を高く売るのはどうなのか、という問題がある。普通、そういうことはしない。なぜなら評判が悪くなり、誰も買ってくれなくなるからだ。そういうペナルティの科し方が正しいだと思う。マスクの転売はけしからんとは思うが、だからといって法律で禁止するというのが良いことだとは思わない。だから今回のニュースを聞いて驚いた。程度問題はあるが、リセールというものは認められている場合があるし、それは買う人にとっての価値なのだから、グレーゾーンを作って柔軟に認めてあげるのがいい社会だと思う。
橋下氏:チケットの高額転売の問題について、“安く仕入れて高く売るというのは資本主義の大原則だ”と言ったら、音楽ファンから大バッシングを受けた。今回、地方議員がマスク転売していたことが話題になったが、彼が元維新だということで、“橋下イズムの継承者だ”と言われた。ただ、傘の場合は違う店で買うという選択権があるし、だからこそあこぎな商売は淘汰されるが、今回はどこに行ってもない状態。そういう場合は、政府が乗り出して、一定期間、介入することはありだと思う。
竹中:皆に転売を認めたら競争のメカニズムが働く。モノがない状況では、例えば10時に開くドラッグストアの前に8時くらいから人が並ぶが、その人たちは時間コストというお金を払っていることになる。そう考えると、あまり規制をしない方が良い。台湾の場合、転売禁止ではなくて配給制にした。
橋下:だから転売ヤーに勝てるだけの政府の配給システムがあれば、国民も高いところで買わずに配給でやれる。転売ヤーがある程度たくさんのマスクを仕入れていたのであれば、政府が介入して買い取ることができるわけだから、そういう形で配給。やはり僕は転売は資本主義の大原則だと思っている。(AbemaTV/『NewsBAR橋下』より)