「フェミニストたちには自浄作用が働いていないのでは」インタビュー発言への批判に対し、ひろゆき氏が再反論
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 先月、「国際女性デー」に向けて10社以上のメディアが連携、取り組みを行った。しかし、プロジェクトに参加した女性記者の一人がnoteに「私がジェンダーを語ったら、バリバリのフェミニストに見えるだろう、少なくとも会社では。ああ、ついに私もそうなったか。なりたくなかったあれに」と綴ったところ、「なりたくないならフェミニストに近づくな」「手を取り合うどころか、足を踏んでいる」といった批判が殺到。記者はフェミニズムやフェミニストを批判する意図はなかったとした上で謝罪した。

 また、国際女性デー企画に参画した「ハフポスト日本版」による「#私たちのフェミニズムをみんなで語ろう」というインタビューでは、「2ちゃんねる」創業者のひろゆき(西村博之)氏が編集部とともに批判されることとなった。

「フェミニストたちには自浄作用が働いていないのでは」インタビュー発言への批判に対し、ひろゆき氏が再反論

 今野書店人文書担当の水越麻由子氏が「去年くらいからフェミニズムの本とかジェンダー関係の本が増えた。どれもお客様の反応が良く、世間的に関心が高まっていると思う」と話す通り、世間では「#MeToo」「#KuToo」などの言葉と共に認知が広まってきたフェミニズム。しかし、その解釈や認識、表現を巡る論争や炎上は後を絶たない。

 そこで3日のAbemaTV『AbemaPrime』では、当事者であるひろゆき氏を交えて議論した。

■“ひろゆきインタビュー”は何が問題とされたのか

「フェミニストたちには自浄作用が働いていないのでは」インタビュー発言への批判に対し、ひろゆき氏が再反論

 「僕は専業主婦の家庭で育っていて、「女の人が働かない」ことがいかにラクか見えていましたし。母はたまにパートして稼いだお小遣いで旅行に行ったりしていましたが、僕は父がそうやって旅行しているのを見たことがないんですよ。母の楽しい暮らしを知っているから、逆に「女性も男性も働くべきだよね」というフランスを見ていると、すげー大変そうだなあと。」

 この発言の真意について、ひろゆき氏は「僕が住んでいた赤羽という地域には、共働きやシングルマザーがいっぱいいた。働きながら子どもを育てる、あるいは旦那さんがいないので自分一人で働き、子育てをする人に比べれば、働く必要のない専業主婦だったうちの母親は楽だったと思う、という話だ。子どもがいる専業主婦の家庭と、子どもがいる共働きの家庭と、シングルマザーの家庭と、どれが一番楽に見えるか。働くお父さんがいて、家事をする時間がある専業主婦だろう。そう見えるのが当然ではないか。なぜそれを“当然に見える”と言ってくれないのかが分からない」と説明する。

「フェミニストたちには自浄作用が働いていないのでは」インタビュー発言への批判に対し、ひろゆき氏が再反論

 また、慶應義塾大学の若新雄純特任准教授は「ひろゆきさんは、子どもがいる家庭のうち専業主婦の女性が他と比べて楽そうに見えるという話をしているだけで、家事=楽なものとは言ってない。そこをフェミニストの人たちは家事=楽なものと言っている、と、自分たちが批判しやすい形に解釈しているところが問題だったと思う」と補足した。

 しかし、大妻女子大学文学部の田中東子教授は「そう見えるとすると、専業主婦の家庭のお父さんも楽ということか。であれば分かる。また、階級の話がない。夫の稼ぎで旅行に行ける専業主婦が100%専業主婦なのか問い返してみれば、断定はできない。構造を抜きにしたイエスかノーの水準での議論は表面的で薄っぺらい」と反論。ライターのトイアンナ氏は「ひろゆきさんのお母さんは幸せだったと思うが、専業主婦には大きなリスクがある。例えば夫がいきなりDVを始めるリスクなどを考えるとどうか。シングルマザーの場合も、貧困問題があるので完全に切り分けて話をしたい」とした。

「フェミニストたちには自浄作用が働いていないのでは」インタビュー発言への批判に対し、ひろゆき氏が再反論

 また、エッセイストの小島慶子氏は「フェミニストであるかどうかに関わらず、家事労働=お金を払わなくて当たり前の労働として扱われてきたことが問題だという認識を持っている人にとっては、ひろゆきさんの言葉に違和感を抱いたと思う。また、女性は子育てのために仕事を辞めた後の再雇用とか賃金などの面で男性とは置かれる状況が違う。本当は働きたい、夫にも家事をやってもらって一緒に育てたいと思っているのに、女だから子育てをやれ、仕事に戻りたくても雇ってもらえないということで、専業主婦をやらざるを得ない人が多い。そういう社会の構造について問題を提起したい人たちから見ると、やはりひろゆきさんの言葉はそこを理解していないものと映ると思う」と指摘。

 その上で、2件の“炎上”について「ハフポストが始めた企画は、フェミニズムに馴染みのない人にも知ってもらおう、その裾野を広げようというもので、最初に登場したのが、ひろゆきさんだった。そのコメントの一部がひとり歩きして炎上してしまったと思うし、他の人でも良かったのではないかという批判もたくさんあった。後から考えればハフポストの企画の立て方が少し甘かったのではないか。また、私はメディアの連携企画についても、様々な記事が出て画期的だったし、素晴らしかったと思う。ただ、関係者の中にはフェミニズムについて昔から考えてきた意識の高い人もいれば、初めてフェミニズムについて考えたという人もいて、知識や認識に差があった。特に80年代、90年代の日本のテレビの中では、フェミニズムについて発言する人がバカにされた。今は評価されている田嶋陽子さんも、“痛いおばちゃん”扱いされていた時期があった。問題の文章も、そういうものをイメージして書いてしまったのかなという気がする。そこが長い間フェミニズムに関わっている人から見れば非常に言葉足らずというか、認識が甘い文章だったので、残念ながら批判されてしまったということだ」との見方を示した。

■ひろゆき氏「フェミニストたちには自浄作用が働いていない」

「フェミニストたちには自浄作用が働いていないのでは」インタビュー発言への批判に対し、ひろゆき氏が再反論

 しかし、ひろゆき氏は「僕のインタビューについて、どこかの表現がまずいとか、事実と違っているということであれば直しましょうという話にもなる。しかし中部大学の玉田敦子教授は、“有毒だ”という書き方をした。そして、それに対して“それは良くないよ”と咎める人がいるかと言えば、いない。フェミニストを自称する神原元弁護士には、僕の発言の一字一句が“性差別者だ”と書かれた。これって名誉毀損だと思う。しかし、これについてもフェミニストの人は攻撃しなかった。僕がTwitterで問いかけても、返事ももらえなかった。言いたい放題言って逃げているだけだし、自浄作用も働いていない」と憤る。

 「自分たちが気に入るものはOKだが、気にいらないものは毒だとか差別主義者だと言っても大丈夫だという価値観をフェミニストの人たちは持っているのではないか。中には“男女平等”ではなく、女性の権利を獲得するには男性が差別されても構わないというタイプのフェミニストもいる。それは単なる差別主義者だと僕は思う。そして、そういう差別主義者を攻撃せず、フェミニスト同士は仲良くしようと受け入れてしまう部分もあると思う。日本には“保守”と“ネトウヨ”がいるが、本当の保守は“あいつらはネトウヨで差別主義者だから保守じゃない”と攻撃する」。

「フェミニストたちには自浄作用が働いていないのでは」インタビュー発言への批判に対し、ひろゆき氏が再反論

 これに対し、小島氏は「私自身、知識も薄い、経歴も良くない、“超にわかフェミニスト”だ。数年前までは自分のことをフェミニストだと言いたくなかったくらいだ。しかし、私がずっと気にしていた問題がフェミニズムだと、最近気がついたし、本当に性差別のない社会がいいと思っている。しかし、Twitter上で“私たちフェミニストは、女子アナだった小島さんのような人を受け入れてあげた”というようなことを言われた。フェミニストが“会員制”だとは思っていなかったから、とてもショックだった。自分と違うからといって、“あなたはフェミニストではない”という資格はないのに、ネット上では“お前は仲間じゃない”とか“お前の言い方は偽物だ”と、排除の運動になってしまうのが残念だ。エマ・ワトソンは“性別によって人が差別されても構わない”と思わないのであれば、その人はフェミニストだと定義している。私もそういう意味で言えばフェミニストだし、自分がフェミニストだと思えば誰でもフェミニストになることができる。自分とやり方が違う人を“あなたはフェミニストじゃない”という資格は誰にもない。だから“フェミニストの人ってそうじゃん”という言い方をするのは雑すぎる。“フェミニストだから見て見ぬふりをしてあげよう”とは思っていないはずだし、私やひろゆきさんには見えないところで咎めている場合もあると思う」。

 田中氏も「もちろんフェミニスト内部にもいろんな立場の人たちがいるし、1970~80年代にかけては色々な議論があった。しかしその後の“バックラッシュの時代”と言われる30年間、フェミニズムがメディアの人たちからバッシングを受けるようになったので、ここは規模が縮小しないよう、手と手をとりあって戦い、社会を変えていこうじゃないかという考えが出てきた。ところがソーシャルメディアが登場したことによって、一気にフェミニズムの裾野が広がった結果、様々な立場の人たちが出てきた。そのため内部の意見の不一致や抗争が出てきているのだと思う。だから差別主義のように見える人たちもいるかもしれないが、差別主義者がいるということではないし、ひろゆきさんのおっしゃったような相互批判もこれから出てくるのではないか」とした。

「フェミニストたちには自浄作用が働いていないのでは」インタビュー発言への批判に対し、ひろゆき氏が再反論

 また、トイアンナ氏も「確かにフェミニストというグループの中にも、必ず過激なタイプと比較的穏健なタイプがいると思う。特に2017年くらいからは一部が男性を叩く方に集中していて、“ひろゆきムカつく”みたいな主張の方がリツイートされてしまうようになった。しかし、これはフェミニズムの問題というよりは、大衆は過激なものが好き、という大きな問題だ。本来、ひろゆきさんを批判したとしても“男はクソだ”とはならないわけで、フェミニストに過激派がいるからといって“フェミニストは…”と言うのは一般化しすぎではないか。誰かの意見や記事が批判されるときに、“男って”“フェミニストって”という風にやりあうのは不毛だ。例えば“奥さんの荷物を半分持とう”という行動そのものがフェミニスト的なので、ひろゆきさんも、今すぐなれるものだと思っている。また、単に男を殴りたいだけの女性、いわゆる“ミサンドリスト”を攻撃しないのかという話については、賃金格差や性暴力の問題などがある中、そっちに割いている余裕はない、というのが正直なところではないか」との見方を示した。

■紗倉まな「“真のフェミニスト”とは何なのか、正直わからなくなる」

「フェミニストたちには自浄作用が働いていないのでは」インタビュー発言への批判に対し、ひろゆき氏が再反論

 議論を受け、紗倉まなは「自分がフェミニストだと思うのであれば名乗るべきだと思うが、その肩書きについて異なる意見を殴りつけるような人もいる。“真のフェミニスト”とは何なのか、正直わからなくなる瞬間がある」と心境を吐露。

「フェミニストたちには自浄作用が働いていないのでは」インタビュー発言への批判に対し、ひろゆき氏が再反論

 プロデューサーの若新雄純氏は「よほど強く言わない限り世の中のズレが改善されないというときに、あえて振り切ったところから“この目線を失ってはいけない”と訴えかけている人たちだというのが、“なんとかイズム”“なんとかイスト”のイメージだ。例えば“ミニマリスト”と言われる人たちは極端なことをしているし、みんながそれに合わせる存在というよりは、“確かに要らない物を持ち過ぎているかもしれない”と感じて生活を修正するような存在。みんなが完璧に理解して、みんなが寄り添うというのは違うと思う」

 また、「ひろゆきさんも指摘していたが、信念があって活動してきた右翼の人たちにとっては、インターネットの登場によって“右の思想=差別主義”みたいに一緒くたにされてしまった部分がある。一方で、右翼の人たちがネトウヨを排除したかというと、勢力が増えるという点で、少しだけ歓迎してしまった部分もあるのではないか。フェミニストに関しても、真剣にやってきた人たちにすれば、ネットに湧いてきたカジュアルなフェミニストたちの中に混じっている差別主義的な人は迷惑だという思いがあると思う。しかし、“フェミニスト”がネット上で一種の市民権を得た以上、誰かがしっかりとした方針を示さないと、ネトフェミ・ツイフェミみたいなものが増えてしまう。そして、日常生活が不満で行き場のない、拠り所がない人たちこそ、そういう所に逃げやすい。それがネット空間とセットになって、全体の質を下げていく気がする」と指摘していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶映像:ひろゆきVS小島慶子 フェミニズムの未来は?

ひろゆきVS小島慶子 フェミニズムの未来は?
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