東京都では1日の新型コロナウイルスの感染者が連日100人を超えるなど、重大局面が続いている。小池都知事は5日も「今のキーワード『おうちにいましょう』『ステイアットホーム』です」という言葉を使い、不要不急の外出自粛を強く呼びかけた。
銀座は毎週末の歩行者天国が中止となり、百貨店も営業を取りやめるなど静まり返っていた。普段の週末なら歩くのも大変な原宿・竹下通りも、5日は若者たちの外出自粛により人の姿はほとんどなかった。
感染拡大防止への意識の高まりがみられる一方、外出自粛が続くことに「コロナ疲れ」「自粛疲れ」の声もあがっている。臨床心理士で心理カウンセラーも務める明星大学准教授の藤井靖氏は、「#stayhomeのための10の自己教示」として次の対処をあげる。
(1)感染者数の増減は、私の心の持ち方にかかっている
(2)私にできることは、自分の行動を決めること
(3)私が自分を大事にすることは、他の誰かを大事にすること
(4)誰かに伝染させるかもしれないし、自分の発症を知らないかもしれない
(5)人混みの中の誰かが発症していたら、自分の身が危険にさらされる
(6)家にいて退屈と感じられるのは、実は幸せなこと
(7)今求められているのは、新しい楽しみを見つけること
(8)家族や友達と思いを共有して、気づくことがある
(9)過去どうしていたかではなく、これからどうするかを考えたい
(10)この状態はいつまでも続かない、必ず克服できる時がくる
藤井氏によると「自己教示」とは、「自己概念の循環効果といって、日常で自分に繰り返し言い聞かせているメッセージは現実化しやすくなる、という現象を応用した方法」。この10項目は“行動”と“ものの見方”の2つに分けられるといい、「自分でコントロールできる行動はやりましょう。そして、物事を客観的に見て、見通しを持ちましょうということ。SNS上では、世界中でハッシュタグ #stayhomeを付けた発信が数多くなされ、私たちも『外出しないで出来る限り家に居よう』という意識を持っているつもりでも、ふとした時に忘れてしまっていたり、心の中にないということがあると思う。なので、毎日これを見て心の中ででもいいので読み上げて、改めて自分の危機意識や自覚を高めて生活できると良いのでは」と説明する。
また、藤井氏は“行動”に関連する項目のうち3つに言及。「この状況下、自分や社会のために個人ができることはたくさんある中で、“(2)自分の行動を決めること”のひとつがステイホーム。自分が決めさえすれば誰にも邪魔されることなくできるので、自分の気持ちと向き合うことが必要。外に行きたい、友達と会いたい、飲み会をしたい、遊びに行きたいといった欲望はあると思うが、それをただ抑えるのは難しいので、“(7)新しい楽しみを見つけること”で欲求を解消してほしい。また、家族の中に不要不急にも関わらず出かけようとしている人がいた時に、周りが心配したり延期を勧めたりと“(8)家族や友達と思いを共有する”ことで、本人も『そうした方がいいかもしれない』と気づく可能性がある」とした。
さらに、“ものの見方”に関しても3つに言及し、「新型コロナウイルスは誰にとっても命に関わる可能性のある問題で、“(6)家にいて退屈と感じられるのは、実は幸せなこと”だと改めて感じてみるべき。そうすると自分の行動も自ずと決まり、周りに対してどう発信していくか、どう家族と共有するかも決まってくる。また、人はどうしてもこれまでやってきたことや生活の仕方、習慣に意識が引っ張られてしまうもの。今はいい意味でも悪い意味でも生活様式や社会がリセットしかけている時だと思うので、それを前向きに捉えて“(9)これからどうするか”を考えて行動変容を図っていきたい。とはいえ、数カ月なのか1年なのか2年なのかはわからないが、“(10)この状態はいつまでも続かない”ので、『終わりはいずれくる』ということも見通しとして意識しておきたい」とした。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
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