タイトルを見ただけで、「いったいどんなドラマなのだろう?」と、好奇心を刺激する時代劇『朝鮮ガンマン』。大きく変化が起ころうとしていた朝鮮王朝時代末期を舞台に、濡れ衣を着せられ殺された父の復讐を果たすために奔走する男の姿をドラマティックに描いていく。
日本、清、ロシアという各国が圧力を強める中、開国して国の命脈を保とうと考える開化派と、それを押し止めようとする旧守派の対立が続いていた朝鮮。そんな中、開化派の学者たちが次々と銃殺されるという事件が発生。真相を追っていた王の側近の武官ジナンは、家族にも危険が及ぶと考え息子ユンガン(イ・ジュンギ)と娘を旧知の訳官フェリョンの家に預ける。フェリョンの娘スイン(ナム・サンミ)と出会ったユンガンは、彼女が男装をして町を歩いていた謎の女性であることに気づくが…。
映画『王の男』で鮮烈な印象を与え、以後も『イルジメ〔一枝梅〕』、『アラン使道伝』といった時代劇で魅力を発揮してきたイ・ジュンギが、銃弾に倒れた後、別人に変身して敵の前に現れるミステリアスな主人公ユンガン役で登場。朝鮮時代末期という、あまり取上げられることの少ない混乱の時代に興味を感じたという彼が、剣だけでなく、タイトルにもなっている「銃」を使った斬新なアクションも披露している。当時珍しかった洋服を身にまとい、メガネをかけて日本人商人「長谷川半蔵」になりきって再び姿を見せた時の別人ぶりも見どころだ。さらに、闇に紛れて活動する時には、覆面の黒銃士にも変身と、多面的な顔を持つキャラクターになりきっている。
そんなユンガンと意外な形で出会い、愛を育んでいくスインに扮しているのは07年の『犬とオオカミの時間』でもイ・ジュンギと共演したナム・サンミ。好奇心旺盛で気が強く、危険も顧みずに行動していく、時代劇には珍しい女性キャラクターを生き生きと演じている。死んでしまったと諦めていたユンガンと再会して以降の恋の行方にも注目したい。そのほか、ユンガンに好意を持つようになる巨大商団の娘ヘウォンを『また!? オ・ヘヨン~僕が愛した未来(ジカン)~』のチョン・ヘビン、重臣の息子でスインを見守るホギョンを『メロホリック』のハン・ジュワンが演じている。さらに、韓国でキャリアを積み『逃げるは恥だが役に立つ』などで日本でも活躍中の大谷亮平が長谷川半蔵と共に朝鮮を訪れる商人・金丸を好演。撮影現場では、日本語のセリフがあるイ・ジュンギにアドバイスもしたという彼は、このドラマでソウルドラマアワードのグローバル俳優賞に選ばれている。
『朝鮮ガンマン』はAbemaTV【韓流・華流チャンネル】にて4月15日(水) 19:50 ~より放送。
テキスト:佐藤結
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