競輪に与える風の影響 バンクのタイプ別、風向き別に考察してみると…
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 前回のコラムでは競輪における雨の影響について考察しました。今回は風の影響について考えてみましょう

 こんな格言があります。

 「風が強いと先行不利」

 そもそも風を切って走っている先行選手。その風が強くなればさらに脚を使わされてタレやすくなるから不利になるのがセオリー……ということなのですが、常に向かい風ならそうなるでしょう。しかしホームが向かい風ならバックは追い風。追い風のタイミングで踏み込めば逆に後押ししてくれるから有利になる。要するに仕掛けどころのタイミングで追い風になっていれば、強風でも有利になる可能性があるわけです。

 つまり、風は仕掛けどころ次第で有利にも不利にもなる。仕掛けどころの違いは距離の違いということで、バンク別の風と決まり手の傾向を考えていきましょう。

<ホーム向かい風、バック追い風の場合>

・33バンクでは2コーナーのカントを使って捲りを仕掛けることが多く、バックの追い風に乗って加速が付くので捲りが決まりやすいでしょう。

・400バンクではバック中央辺りから捲りを打ってくることが多いのですが、すでに先行が追い風を受けてスピードに乗ってしまっている。よって若干先行有利。しかしホームの直線が長い場では最後に向かい風を受けるため、先行ラインの番手差しに加えて3番手まで入ってくるズブズブまで考えておきましょう。

・500バンクでは3コーナーから捲りにいって4コーナーのカントでさらに加速するという流れになりやすいです。つまり捲りはホームの向かい風を受け取るため、決まりにくいかと。こちらも先行ラインの番手差しからズブズブまで考えられます。

<ホーム追い風、バック向かい風の場合>

・33バンクでは2コーナーのカントを使って捲りを仕掛けることが多く、バックで向かい風を受けるため、捲りは不発に終わってしまいがち。逃げが決まりやすいでしょう。

・400バンクではバック中央辺りから捲りを打ってくることが多いのですが、向かい風を受けて脚がタレた先行に3コーナーで追いつきやすく、脚が余った状態で4コーナーのカントを使っての捲りが決まりやすい傾向があるかと。そのまま捲りのラインで出切っての決着か、先行ラインの2番手3着残り目まで見ておきましょう。

・500バンクでは3コーナーから捲りにいって4コーナーのカントでさらに加速するという流れになりやすいということから、捲りはホームの追い風を存分に利用できます。そのまま捲りのライン決着か、先行ラインの2番手、3番手の3着残り目で穴を狙えます。

競輪に与える風の影響 バンクのタイプ別、風向き別に考察してみると…
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<バックからホームへの横風=メインスタンド向かい風の場合>

・33バンクでは2コーナーのカントを使って捲ってくることが多いのですが、カントの登りで向かい風を受けることになるので踏むのを躊躇してしまい、逃げが決まりやすくなるかと思われます。

・400バンクではバック中央辺りから捲りを打ってくることが多いのですが、横風に向かって車体を出さなければならず、そこで躊躇するため仕掛けが遅れて逃げが有利になるでしょう。

・500バンクでは3コーナーから捲りに出るのがセオリー。そこに追い風が吹くことになるので、後押しされて捲りのラインが出切りやすい。ホーム直線では横からの風で動きづらく、そのまま捲りのライン決着になりやすいでしょう。

<ホームからバックへの横風=メインスタンド追い風の場合>

・33バンクでは2コーナーのカントを使って捲ってくることが多いのですが、カントの登りで追い風を受けることになるので後押しされて加速に向かいやすい。バックで早めに先行ラインをかませれば、3コーナーで先行ラインが再度かまそうとしても向かい風になるので出づらく、出切っていた捲りラインのそのまんま決着になりやすいかと。

・400バンクではバック中央辺りから捲りを打ってくることが多いのですが、横風に乗って横に出せるので仕掛けのタイミングが取りやすい……とはいえ、横からの風は車体が不安定になるのでやはり躊躇してしまい、捲りの仕掛けづらさで若干逃げが有利かと。

・500バンクでは3コーナーから捲りに出るのがセオリー。そこで向かい風を喰らうので、捲りは不発に終わりやすい。逃げのラインの抜き差し勝負になるでしょう。

 以上がセオリー通りの展開になる場合の風と決まり手の傾向になります。

 ただし、場によってはホームもバックも向かい風になるといった、風がバンクに沿って巻いてるようになる場もあります。例えば、昔は「バック向かい、ホーム追い」が基本だった立川バンクも4コーナーにあった建物がなくなったことで「常に向かい風を受けている感じ」という選手が多いです。

 常に風を受けているとすれば捲りにも出づらいですし、先行選手もタレるので、早めに逃げを打つ先行ラインの2番手頭の差し目本命でズブズブまでという傾向になるでしょう……と、なるほど確かに、立川が他の400バンクよりも差し目が決まりやすいというのは経験則として感じてます。

 このような場による傾向もあるので、それも加味して上で予想しましょう。地元選手はそれもわかった上でセオリーとは違う仕掛けで風を利用することも考えられます。特に負け戦での地元のベテラン選手が絡んでいるラインは要注意です。

 ちなみに風の強さと向きですが、天気と同様、ネットやアプリを使えば狙いの競輪場をピンポイントで調べることができますのでご活用のほど。

 ネット投票でも現地の風を感じながらだと、競輪の予想がさらに深みを増しますよ♪

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