千葉県の鴨川市と南房総市では13日、大雨により土砂災害の危険性が高まり避難勧告が出された。しかし、両市とも避難した人の数は0人。住民の不安は災害発生だけでなく、新型コロナウイルス感染の可能性にもあるからだ。避難所はいま問題となっている“3密(密閉・密集・密接)”が発生しやすい場所として懸念されている。
実際に4年前の熊本地震では、一部の避難所でインフルエンザやノロウイルスの患者が相次いだ。また、去年の台風19号でも、福島・いわき市の一部の避難所でノロウイルスの集団感染が起こった。昨日は避難所のコロナ対策として、手指消毒液の設置やマスクの配布、体温計の準備、できる範囲の換気、密にならないスペースの確保などに務めていたという。
今回避難した人はいなかったが、本当に避難が必要になった時にどのように対応すればいいのか。BuzzFeed Japan記者の神庭亮介氏は「これをきっかけに“コロナ×災害”を考えていかなければならない。日本は災害大国で、地震や大きな台風も起こりうる。以前にもオリンピックをやる・やらないの話が出始めた時に、『延期もあり得るから最悪のケースを想定したほうがいい』と伝えたが、考えたくないことほどしっかり考えておかないといけない。コロナ×災害が起こることを前提にシミュレーションをしておくことが大切だ」との見方を示す。
また、災害によっては3密が避けられない状況が起こりうるとも指摘。「台風で大雨が室内に吹き込んだり、寒い時期に室温を保つために換気が難しくなったりするかもしれない。3密を避けるには、1カ所に避難する人の数を減らすしかない。そのためには避難所を増やすか、すでに軽症の感染者をホテルが受け入れているように、宿泊施設を有効活用する方法も考えられる。可能であれば、『◯◯エリアの人は全員避難してください』とひとまとめに呼びかけるのではなく、持病のある人や高齢者など、感染リスクに応じて行政がきめ細かく指示を出せるとさらにいいと思う。避難所のキャパシティーなど難しい問題もあるが、今から最悪の事態をシミュレーションして対策を練る必要がある」とした。
(ABEMA/『けやきヒルズ』より)
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