新型コロナウイルスの感染が欧州でも拡大する中、3月23日(現地時間)よりロックダウン(都市封鎖)中の英ロンドン。現地の状況を伝える漫画がネット上で反響を呼んでいる。
それは漫画家でイラストレーターのNANNO(@nanno_koresiki)さんが投稿した漫画。NAANOさんが描くのは、ロンドン在住の友人から聞いたというエピソードだ。
漫画はNANNOさんがロンドンに住む日本人の友人を心配し連絡したところからスタート。外出禁止で街からは人が消え治安も悪化しているという友人に、NANNOさんは「なぜ現地に残るのか?」と質問。友人はロンドンで修行し日本に帰り起業したいという夢を叶えるため、「師匠がこの大不況をどうやって切り抜けていくのかをそばで勉強させてもらいたい」と答えるが、さらに残りたい理由があると語る。友人は数日前に感動的な経験をしたというのだ。
その日、イギリス国民の間で「#clap for our carers」というハッシュタグが拡散。それは、最前線で働く医療従事者へ感謝と激励の気持ちを込めて、3月26日の20時に窓やバルコニーから一斉に拍手を贈ろうというキャンペーンだった。
友人もそのキャンペーンに家のバルコニーから参加したといい、20時になると街中が拍手に包まれたのだそう。その音を聞きながら友人は「これだけの人が今同じように苦しい状況に置かれているのか」「多種多様な人種が生活しているロンドンで、その住民達のほとんどが同時刻に同じ行動をとるなんて普段ならまずありえない。それを可能にしてしまうほどの非常事態なんだ」と改めて事態の深刻さを実感。「この苦難は今ここにるみんなで乗り越えて行かなきゃいけない」と決意を新たに、「この困難をみんなで乗り越える瞬間を経験したい」とロンドンに残ることを決めたのだそうだ。
NANNOさんは「苦しいのは自分一人ではない、乗り越えるにはみんなで協力していかなくてはならないんだと強く思い、ロンドンの現状を知らない日本に住む方々にも漫画を通してこのことを伝えたいという気持ちになりました」と漫画を投稿した理由を説明。
このニュースを受け、テレビ朝日元アメリカ総局長の名村晃一氏は「ニューヨークでも同時間拍手をする動きがあるらしい。みんなで同じことをやって、人との連帯感を持つのはいいこと。家に一人でいると孤独になってネガティブになってしまう。少しでもコミュニケーションをとると励まされ、自信が湧いてくる」と「Clap for Our Cares」の動きを称賛していた。
▶︎動画:医療関係者に感謝!イギリスで流行する「Clap for Our Cares」
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