実施率倍増も“テレワーク不安”浮き彫りに 臨床心理士「相手への配慮より必要なことがある」
【映像】ABEMAでみる
この記事の写真をみる(3枚)

 緊急事態宣言が全国に拡大されて初めての週末。位置情報ビッグデータ事業を行うAgoopによると、19日の都心のターミナル駅への人出は、感染拡大前の1月後半から2月前半の休日平均に比べて東京駅で84.7%減、新宿駅で87.3%減と、政府が求める“7~8割減”を上回ったことがわかった。

【映像】都心閑散も郊外に人出

 その一方、郊外では多くの人が見られる場所も。NTTドコモの調査では、千葉・船橋で56.5%減、神奈川県・川崎市で65.9%減と、東京近郊の駅周辺での減少率は7割以下にとどまっており、引き続き外出自粛を意識する必要がありそうだ。

実施率倍増も“テレワーク不安”浮き彫りに 臨床心理士「相手への配慮より必要なことがある」
拡大する

 そして週明け、再び仕事が始まる人も多い中、テレワークに不安を覚える声もあがっている。パーソル総合研究所が行った「緊急事態宣言(7都府県)後のテレワークの実態」調査によると、全国平均のテレワーク実施率は3月9日~15日の13.2%から、4月10日~12日には27.9%と2倍以上に。一方で、テレワークを実施する人は、「非対面のやり取りは相手の気持ちがわかりにくい」(37.4%)、「上司や同僚から仕事をサボっていると思われないか」(28.4%)、「出社する同僚の負担が増えていないか」(26.4%)といった不安があるようだ。

 テレワークの実施率が3割弱にとどまっていることについて、ABEMA『けやきヒルズ』にリモート出演した、臨床心理士で心理カウンセラーも務める明星大学准教授の藤井靖氏は「営業など人と会わなければいけない、セキュリティの問題で自宅に仕事や書類を持ち帰れないなど、従来からテレワークが難しい業種もある。とはいえ、仮にできたとしても“やらない”企業も実は多いのでは。例えば、IT企業などでテレワーク推進が企業のひとつの見せ方となる場合は率先してやると思うが、働き方が大きく変わり新しい仕組み作りが必要だったり、機器を揃えるなど新たなコストもかかりうるので、企業にとって明確なメリットがないと進まないという現状もあると思う」との見方を示す。

実施率倍増も“テレワーク不安”浮き彫りに 臨床心理士「相手への配慮より必要なことがある」
拡大する

 また、テレワークにおいて『相手の気持ちがわかりにくい』という不安については、「僕自身もカウンセリングはまだまだ対面が多いものの、関わっている全ての仕事におけるテレワーク率は確実に上がっている。特に大学の会議や研究の打ち合わせなどはオンラインで行うことが増えてきている中で、発話の量だけではなくて、表情や声のトーンなど読み取れる非言語情報が少なくなっているので『相手の気持ちがわかりにくい』というのはその通りだと思う。ビデオチャットツールでも、カメラをミュートにしている参加者がいると、その人がどう考えているか気になってしまう」と賛同した。

 では、テレワークにおけるコミュニケーションの取り方として、どのようなことに注意するべきなのか。藤井氏は「テレワークについて、これまでの方法の代替ではない『新しい仕事の仕方』という大前提の意識が持てるかどうか」だと指摘し、「対面時と同じようなことを同じようにやろうとすることはそもそも無理だということ。もちろん、相手にどう思われているかを気にしながら、相手を大事にして仕事をしていかなければいけないというのは変わりないと思う。ただ、テレワークがアフターコロナの新しい対面のコミュニケーションの取り方、新しい仕事の形だと考えると、例えばビデオチャットでのコミュニケーションにおいては、相手のことを気にするよりも各々が『自分自身が効率よく快適に仕事をする』ことを考えて工夫したほうが、結果的に集合体として良い仕事空間になるし,生産性も高まるのではないか」とした。

(ABEMA/『けやきヒルズ』より)

映像:15分で結果判明「抗体検査」とは【学君】

【学君】15分で有無判明「抗体検査」とは
【学君】15分で有無判明「抗体検査」とは
「検査数すぐ増やせない」PCR検査の現場
「検査数すぐ増やせない」PCR検査の現場
「日本の方が怖い」スペインから帰国の女性
「日本の方が怖い」スペインから帰国の女性
この記事の画像一覧
この記事の写真をみる(3枚)