ボートレースのモーターは前日検査の抽選で決まり、選手はレース期間中、そのモーターを試行錯誤しながら仕上げていく。4月24日、ABEMA「アベマde週末ボートレース~Friday~」放送回では、元ボートレーサーで現JLC専属解説者の松野京吾が、そんなモーターの部品交換について紹介した。
ボートレース場で公表されている部品交換はプロペラを含めた全9種類で、まずピストンはレース足が劣勢の時に交換。使用する2気筒モーターにピストンは2つあり、上下をバランスよく調整するそうだ。ピストンリングは計4本で、回転が上がらない夏場は改善のために中古リングに交換。ピストンとピストンリングが入るシリンダーケースもレース足に重要で、「足合わせではなかなか分からない」ことから交換後は展示タイムで確認するという。
その名の通り、電気を発生させる電気一式は水が難敵。転覆後は干さないと使用不可で、次のレースまでに時間がない場合などは予備にチェンジするそうだ。空気と燃料の量を調整するキャブレターは、レバーを握った瞬間の反応が悪ければ洗浄、もしくは交換。プロペラと繋がるギアケースはプロペラの回転調整に役立ち、回転を上げたい時、あるいは下げたい時に整備するとのことだ。
モーターの中心部であるクランクシャフトはやはり劣勢時、松野が「要注目」と述べた排気ガスの通り道であるキャリアボデーは「前日検査でもらった時にホントに酷い」と感じた時などに交換。キャリアボデーに関しては交換後に反応がすぐ出るそうで、「展示タイムが上がっていれば、間違いなく良くなっている」と捉えていいそうだ。残るプロペラは、モーターと同じで「良い悪いがある」とのこと。「例えば転覆で破損して、新ペラに交換するだけで全然違う」そうで、選手は「いろいろな型で試してレースに挑んでいる」と語った。
いずれにしても、選手の気持ちは同じ。日々の部品交換は、少しでも良い結果を残すためには欠かせない努力のひとつなのである。
(ABEMA/BOATRACEチャンネルより)