異次元の達人対決 持ち時間わずか「21秒」対「11秒」 解説棋士「普通は将棋にならない」究極の超早指し戦が実現/将棋・AbemaTVトーナメント
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 将棋の超早指し団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」の予選Bリーグ第2試合、チーム渡辺VSチーム天彦が5月9日に放送された。大将戦(三番勝負)の第1局が持将棋指し直しとなったため、渡辺明三冠(36)と佐藤天彦九段(32)の指し直し局は、先手・佐藤九段が持ち時間21秒、後手・渡辺三冠が同11秒という、究極の超早指し戦で争うことになった。

▶映像:わずかな持ち時間で一局

 もともと持ち時間5分・1手指すごとに5秒加算という独特なルールで行われている同棋戦だが、持将棋指し直しは第3回で初。両者ともなんとか引き分けに持ち込んだ一局だったが、待っていたのはほんのわずかに残った持ち時間を引き継いで戦う、究極の将棋だった。

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 指せば5秒増えるとはいえ、21秒と11秒では、特に序盤はほとんど考える余裕がない。公式戦では最短でも、1手30秒は余裕があることを考えれば、いかに過酷な条件下であるかわかるだろう。ただ、いざ始まればそこはタイトル25期を誇る渡辺三冠と、名人3期の佐藤九段という超一流、猛烈なスピードで指し進めて、将棋を成立させた。これには解説を務めていた及川拓馬六段(33)も開始直後は「非常に厳しい」と語っていたものの、終盤には「なんでこの持ち時間で勝負になるんだろう。将棋になるだけですごい持ち時間」と、驚きを隠さなかった。

 結果は139手で佐藤九段の勝利。本人は「序盤からとにかく時間がないので、なかなか難しかった」と振り返ったが、及川六段は「手が見えまくっている。これだけ見えれば将棋が楽しいだろうなと。指し直しの持ち時間では、普通は将棋にならない。さすがトッププロでした」と称賛しきりだった。

 また、この究極の超早指し戦を見届けた視聴者からも「すごすぎて理解が追い付かない」「あの時間でなんでこんな将棋できるのよ」「なんちゅう将棋や…」と、驚きの声ばかりが相次いでいた。

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◆第3回AbemaTVトーナメント

 持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行い、1回の対戦は三番勝負。3人1組の12チームが、3チームずつ4つのリーグに分かれて総当たり戦を実施。1対局につき1勝を1ポイント、1敗を-1ポイントとし、トータルポイントの多い上位2チーム、計8チームが決勝トーナメントに進出する。優勝賞金1000万円。

◆出場チーム&リーダー

 豊島将之竜王・名人、渡辺明三冠、永瀬拓矢二冠、木村一基王位、佐藤康光九段、三浦弘行九段、久保利明九段、佐藤天彦九段、広瀬章人八段、糸谷哲郎八段、稲葉陽八段、Abemaドリームチーム(羽生善治九段)

ABEMA/将棋チャンネル)

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持将棋&指し直し局
持将棋&指し直し局

▶映像:一流棋士の激闘に「名局賞」の声も

超一流による白熱の一局
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