長時間のフライトや長距離バスに乗っている際、気を付けないといけない病気といえば「エコノミークラス症候群」。新型コロナウイルスの影響で、今この病気のリスクが高まっているという。
狭い座席に長時間座るなどして足を動かさないことにより、血の固まりである血栓ができ、血流にのって肺の血管を詰まらせ急に息ができなくなってしまうエコノミークラス症候群。実は新型コロナウイルスに感染し療養中の人こそ、この病気に気を付けないといけないと専門家は指摘する。
「コロナウイルスでは血栓ができやすいという特徴がある。血栓は血管の中に血の塊ができることだが、動脈にも静脈にもできる。静脈だとふくらはぎに一番血栓ができやすいので、それが流れて肺に詰まるという事が起きやすい」(新潟大学・榛沢和彦特任教授)
エコノミークラス症候群に詳しい榛沢氏によると、新型コロナウイルスに感染すると体内に血栓ができやすくなるという。さらに、自宅やホテルなどでの療養生活では「脱水」の危険性が高まり、“血栓ができやすい状況”だと注意喚起している。
「脱水の状態だと血液が濃くなるので、血栓ができやすくなる。(食べ物や環境の影響は)一概には言えないが、(ホテルなどで)おにぎりや弁当ばかり食べていると普段より水分の少ない食事になり、なかなか自宅療養とかホテル療養の方は(きちんとした食事をするのが)難しいかもしれない。差し入れが難しいという話もあるが、お茶や水を薬だと思って飲んでもらうのがいいと思う」(同)
国内で感染者がエコノミークラス症候群にかかった事例はまだないとのことだが、アメリカやフランスではすでに発症例があるという。
一方、エコノミークラス症候群に気を付けないといけないのは新型コロナウイルス感染者だけではない。外出をせず在宅勤務をする人にもリスクが潜んでいるという。
「家の中でじっとしている、特に椅子の上でじっとしている状態。椅子に座った状態でずっとじっとしていると、足に血栓ができやすくなる。研究だと2時間くらいで血栓ができやすい状態になる」(同)
では、予防するために家でどのようなことをすればいいのか。
「歩くのが一番だが、歩くことができない、膝が悪いという人は、ふくらはぎのマッサージ。ふくらはぎに一番血栓ができやすいので、ふくらはぎの血流を流すという意味でマッサージをする。座ったままでも、つま先を立てる形とか足の指でグーを握ると、ふくらはぎの筋肉が動くのでお勧めする」(同)
(ABEMA/『けやきヒルズ』より)






