女子プロレス界屈指の人気選手、安納サオリが5月9日配信のTVマッチでDDT本格参戦を果たした。
DDTの男性客限定興行『野郎Z』、さいたまスーパーアリーナでの路上プロレスに出場したことがある安納だが、DDT本大会（無観客だが）は初。納谷幸男と組み、赤井沙希＆渡瀬瑞基と対戦した。赤井と安納は「赤井沙希おきばりやす七番勝負」でのシングルマッチが決まっており、今回はその前哨戦という形だ。
男子選手との闘いではパワーと体格の差に苦しんだ安納だが、それも「凄く刺激になりました」。試合自体が久しぶりなこともあり、プロレスにのめり込んでいるようだった。
赤井とのマッチアップでは見事に本領発揮。エルボーの打ち合い、顔面への蹴りなど打撃主体の攻防を展開した。赤井がビッグブーツを決めれば安納はジャンピング・ハイキック。意地をぶつけ合うような攻防だ。安納は今年からフリーとして活動、DDTという新たな戦場に燃える部分もあったはず。
（フィニッシュはジャーマン。柔軟なブリッジは安納の代名詞でもある）
最後に厳しい競り合いを制したのは安納だった。フィッシャーマン、ジャーマンとスープレックスでたたみかけ、赤井から直接3カウントを奪ってみせた。
試合後、赤井の髪を掴んで睨み合いを展開した安納は「試合がなくて欲求不満だったんですけど、これでは発散できなかったですねぇ」ともの足りなかった様子。「赤井沙希より青いサオリ」と挑発するコメントも。
これを聞いていた赤井がコメントに“乱入”する場面もあり、シングル対決に向け両者ともにテンションが上がったようだ。
赤井にフォール勝ちという結果、激しさを前面に出した試合内容、さらに個性の面でもDDTに埋もれず、しっかりインパクトを残した安納。赤井とのシングル対決に向けて勢いをつけただけでなく、今後に向けての可能性の広がりを感じさせる前哨戦だった。
文／橋本宗洋
写真／DDTプロレスリング
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