“コロナ最前線”の医療現場をキャンピングカーで支援 「娯楽や旅向けだけではないと証明したい」
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 フェイスシールドやマスクなど各地の病院へ様々な医療支援が広がる中、今月7日、埼玉県にある認知症専門病院「武里病院」に2台のキャンピングカーが届いた。

【映像】キャンピングカーの内部

 「今は休憩室として使わせてもらっているが、もし本当に病棟にコロナ感染患者が出ると、病棟の職員全員がPCR検査をしなければならない。検査をして家に帰るといっても、帰りたくない人はいっぱいいる。そういう時にはキャンピングカーで5、6人泊まれるのはありがたい」(武里病院・大野智之院長)

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 これは、キャンピングカーのシェア事業などを手掛ける「Carstay(カーステイ)」が中心となり、4月から行っている「VAN SHELTER(バンシェルター)」というプロジェクト。ベッドや水道を備えたキャンピングカーの特性を生かし、不足する病床の代わりや隔離スペース、PCR検査場など、様々な用途で使用できる場所として病院などの医療機関にキャンピングカーを無償で貸し出している。

 「緊急事態宣言中は、キャンピングカーのレンタルもほぼなかったような状況で、(所有者の)皆さんも持て余していた。『旅に出かけましょう』とはなかなか言いづらい中で、これを旅ではなく、ひっ迫しているコロナ最前線で戦っている医療従事者向けに貸し出すことはできないかと考えて、プロジェクトを始動した」(Carstay代表取締役・宮下晃樹さん)

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 外出自粛の影響で、キャンピングカーの需要は激減。宮下さんの会社も打撃を受ける中、クラウドファンディングを通じて資金を集めキャンピングカーの提供を行うことが、医療現場のみならずアウトドア業界全体の支援にもつながると考えた。宮下さんの考えに全国のレンタカー業者をはじめ様々な企業が賛同し、現在では20社以上が協力を申し出ているという。

 これまでに千葉県や茨城県など4カ所の医療機関に計8台を貸し出し、神奈川県の重点医療機関として新型コロナウイルスの感染者を受け入れている川崎市の井田病院では、3台のキャンピングカーが医療従事者の休憩・就寝スペースとして活用されている。

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 「キャンピングカーがただの娯楽や旅だけでなく、人々の生活を支えるインフラにもなり得るということをこのプロジェクトを通じて証明したい。今後、コロナの第2波や台風、また別の災害が起きた時にも『バンシェルター』という仕組みを活用して、キャンピングカーを通じて人々を支えるような支援をさせていただければ」(宮下さん)

 6月には、静岡県藤枝市が開設するドライブスルー方針のPCR検査場に、医療従事者の休憩スペースとして大型のキャンピングカーを提供する予定。さらに、神奈川県の要請で県内6カ所の医療機関に約10台を貸し出すことが決まっているということだ。

ABEMA/『ABEMA Morning』より)

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