IT駆使した“スーパーシティ”の先にある未来の街は? サリー楓氏「物理的なインフラやサービスの境目がなくなる」
【映像】ABEMAでみる
この記事の写真をみる(3枚)

 27日、参議院本会議で可決・成立した改正国家戦略特区法、通称“スーパーシティ法”。そもそもスーパーシティとは何なのか。

【映像】“スーパーシティ”のイメージ

 スーパーシティ構想のポイントは、最新のIT関連技術を駆使し、各事業者間で住民のデータを連携することによって、より便利な生活を送ることを目指すという点。行政手続きはスマホ1台で完結、買い物は顔認証によるキャッシュレス、配達はドローンで好きな時間に、病院の診察は自宅でオンライン――。ストレスの少ない夢のような未来の街を実現する際に立ちはだかる壁、つまり規制の改革をしやすくするために成立したのが今回の法律となる。

 ただ、スーパーシティの実現に向けては個人情報の問題が指摘されている。個人に合わせた細やかなサービスのためにはプライバシーも含めた情報が必要となるが、不安になるのが個人情報流出のリスク。事業者がデータを連携すればするほど、個人情報流出のリスクは高まる。個人情報に対する考え方は人それぞれで、便利になるのであれば構わないという人もいれば、絶対に嫌だという人もいる。

IT駆使した“スーパーシティ”の先にある未来の街は? サリー楓氏「物理的なインフラやサービスの境目がなくなる」
拡大する

 また、スーパーシティを目指す地域の選定や計画方針については住民の合意が条件になっているが、どのように合意を得るかが明記されていないとの指摘もある。スーパーシティを目指す地域では、国・自治体・企業が一体となった「ミニ独立政府」で計画が進められていく。住民の声はどれだけ反映されるのか。便利な世の中を作るためには、越えなければならない壁がたくさんありそうだ。

 スーパーシティにおける個人情報の懸念について、建築家でモデルのサリー氏は「これは改正国家戦略特区法という名前の通り”特区”を対象とした話で、日本国民全員に即時適用されるわけではない。限られた範囲の中で法案がスタートし、その範囲の中で満員電車が減ったり、命が助かるといった実績が作られていくことになる。次第にメリットが認められていけば、全国に適用されていく可能性は高い。そうなった時に、我々が個人情報の保護にどれだけ目を光らせられるか。個人情報保護の問題は、法案の可否というより、私たちが意識的に個人情報の運用を監視し続けられるかどうかにかかっている」との見方を示す。

IT駆使した“スーパーシティ”の先にある未来の街は? サリー楓氏「物理的なインフラやサービスの境目がなくなる」
拡大する

 最新のIT関連技術を駆使した便利な生活。では、さらに先の未来の街はどのように変化していくと予想されるのか。

 「データという横串ができることで、物理的なインフラや様々なサービスの境目がなくなっていく。スーパーシティよりも先の未来の世界では、私たちの意識から電車・車・徒歩といった移動手段の境目がなくなり、限りなくスムーズになっていくだろう」「近年、生活インフラとして商業施設の公共性が高まっている。一方で、公共施設は税金に頼った運営が難しくなっており、自ら運営資金を作らなければいけない。このように、公共施設が商業性を、商業施設が公共性を帯びていくことで、例えば公園と店舗の区別がつかなくなるような未来が2040年までにやってくるのではないか」と推測した。

ABEMA/『けやきヒルズ』より)

映像:木村花さん死去…SNS“5つの禁止事項”

木村花さん死去…SNS“5つの禁止事項”
木村花さん死去…SNS“5つの禁止事項”
日本なぜ死者数少ない? ファクターXとは
日本なぜ死者数少ない? ファクターXとは
この記事の画像一覧
この記事の写真をみる(3枚)