SNSで広がる“#学校再開うつ”の声に臨床心理士「最悪学校に行かなくてもいい」の真意
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 東京都は休業要請を3段階で緩和するロードマップについて、1日から「ステップ2」とし緩和の対象を広げた。「ステップ2」に移行することで、スポーツジムや学習塾、映画館や劇場など日常生活で利用する幅広い業種への要請が緩和される。なお、飲食店は今と同じで午後10時までの営業だ。

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 また、都内の学校も本格的に再開した。東京都教育委員会のガイドラインでは、都立高校の場合、オンラインを活用した段階的な分散登校を実施。緊急事態宣言解除後の1期(5月26日~)、2期(6月1日~)、3期(6月15日~)に分け、生徒数や在校時間、登校日数を段階的に増やす方針を示している。

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 そんな中、SNSなどでは「#学校再開うつ」の声が広がっている。「満員電車が怖い」「不登校になりそう」「課題が終わらない、詰め込み授業だし学校行きたくない」「3カ月も休校だった…今更学校になんか行けない」などの声があがり、大きな環境の変化が体や心に影響しストレスになっているのではないかとの指摘がある。

 環境の変化が与える影響について、臨床心理士でスクールカウンセラーも務める明星大学准教授の藤井靖氏は「休校期間は完全に体や心がオフになっていたわけではなく、いわゆる“脳のアイドリング”が続いていたような状態。デフォルト・モード・ネットワークといって、何かがあったら適応できる、行動できるよう備えている状態なので、休んで元気いっぱいとは当然ならない。もうひとつ、生活環境の変化は人にとってすごく大きなストレスになる。どう変化したかということよりも変化自体が繰り返しあることで、人は対応に追われることになる。学校が再開して元の生活に戻ると考えても、なかなか体がついていかないというのは人として正常な反応だと思う」との見方を示す。

 一方、長引いた休校に不安を覚えているのは子どもだけではない。藤井氏の下へは、子どもの学力格差や生活スタイルなどに関して保護者からの相談があるという。「塾に行っていたり私立学校に通っている生徒やその保護者はそんなに大きな心配はしていないと思うが、公立学校では自宅学習をどれだけやれていたかに違いが出てくる。心配を共有できる親同士の横のつながりもコロナ禍では機能しにくい状況だったと思う。また、子どもだけでなく仕事がテレワークになるなど家族全体の生活スタイルの変化があったことで、最近何か調子がおかしいということだったり、子どもが通常通り学校に行けるかと心配している親が多い」と説明。

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 そうした不安を持つ親子へ向けて、藤井氏は次のアドバイスを送った。

 「児童生徒のみなさんは、もし自分が何か抱えているものがあれば、それを言語化して誰かに伝えたり相談したりしてほしい。また、100%の体調でないことも多いと思うので、無理はし過ぎないで欲しい。

 そして、やはり元に戻るためには時間が絶対に必要で、時には学校に行きたくないと思うことがあると思う。その時に『最悪行かないという選択肢もある』と考えてもいい。実際には、気持ちが伴わなくても登校していることのほうが多いと思うので、『何が何でも行かなきゃ』ではなく『いざとなれば行かなくてもいいんだ』という気持ちが持てて心に余裕が生まれることが大事。

 保護者の方は、分散登校や学校の方針などこれからも変化が続いていくと思う。先が見通せないと親もストレスが溜まってしまうので、例えば『◯時に起きる』『◯時にご飯を作る』といった1週間の予定を先に決めてしまって紙に書いて貼っておく。家の仕事、子どもの対応を予め決めておけると、それに乗って行動ができ、心の変化の波が少ない生活にしていけると思う」

ABEMA/『けやきヒルズ』より)

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