“都心から郊外へ、マンションから戸建てへ” リモートワークが当たり前の時代、住まいに対する考え方に変化
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 「家賃高いし都心に住む必要ないな」「会社に近いことを決め手に引っ越したのにムダだった」「都心の狭い家で夫婦共々リモートワークはもうムリ」。

・【映像】コロナ禍で変わる"住まいの価値観"リモートワーク爆増でオフィス&都心タワマン時代は終焉?

 コロナ禍によって一挙に普及したリモートワーク。しかし自宅が職場となったことで、様々なストレスやトラブルが表面化している。さらにリモートワークが前提の働き方が当たり前になる未来を考えたとき、都心に暮らす必要性を感じなくなっている人が増えているようだ。

■都心から郊外へ、マンションから戸建てへ

“都心から郊外へ、マンションから戸建てへ” リモートワークが当たり前の時代、住まいに対する考え方に変化

 「すでに住まいの常識が覆されている」と語るのが、住宅ジャーナリストの山下和之さんだ。

 「子どもがいる共働き世帯がテレワークになってしまうと、狭い家の中で仕事に集中できず、ストレスが溜まる。そこでこれまではできるだけ都心に近い狭くてもマンションという選択肢だったのが、もっと郊外でいいんじゃない、極端に言えば田舎でもいいんじゃないのという発想が出てくる。リクルートの調査によれば、リモートワークのおかげでコロナショック前に比べ引っ越しを考える人が増えている。なおかつ重要なのは、通勤時間が長くなっても構わないと考える人が出てきていることで、“90分長くなっても構わない”という人もいる。出社は週に1回でいいということになれば、都心の狭い物件に住まずとも、郊外の広い物件でいいという発想だ」。

“都心から郊外へ、マンションから戸建てへ” リモートワークが当たり前の時代、住まいに対する考え方に変化

 山下さんの調査によれば、小田急線を使って新宿駅へ行く場合、最寄り駅が下北沢駅(乗車時間7分)の3LDK(専有面積83.42平米)の住宅が約1億3900万円なのに対し、橋本駅(41分)の4LDK(88.49平米)の住宅は約3800万円となっている。所要時間の差は34分だが、購入価格の差は約1億円に達する。

 「これは極端なケースになるが、やはり都心にはそれなりに住みたい人もいるので、投資物件としても相場が極端に下がることはない。しかし、いわゆる通勤圏については上昇していくのではないか。例えば山手線から1時間の場所なら、本当に安く住める。これからはそういう所もターゲットになっていくと思う。典型的なエリアとして、千葉の君津や木更津は、アクアラインが開通し、川崎まで30分、東京まで1時間圏内になったので地価が上昇し、アウトレットができてさらに人気が上がった。この辺りなら、180~200平米の土地付き一戸建てが2000万円台で買える。その意味では特急あずさに乗れば新宿まで1時間の山梨もそうなるもしれないし、仙台だって週1回なら十分通える。考え方次第だ」。

“都心から郊外へ、マンションから戸建てへ” リモートワークが当たり前の時代、住まいに対する考え方に変化

 さらに山下さんは、マンションから戸建てという変化も起こると予測する。

 「いま、首都圏の新築マンションの平均価格は約6000万円で、買っているのは子どものいない、年収1000~1400万円のパワーカップル世帯。むしろ、そうでなければ買えない。しかしマンションはエントランス、エレベーター、共用廊下があり、“三密”になる機会も多く、室内は風通しも悪い。加えて老朽化も怖い。SARSが流行した際には、香港のマンションで垂直方向に感染者が出たことがあった。これは上の階の人のウイルスが壊れた下水管を経由して下の階に広がってしまったのが理由だった。日本もこれから築5~60年のマンションが増えてくることを考えると、そのようなリスクは免れない。そこで、マンションから一戸建て、という流れも出てくるのではないか。首都圏の新築の建売住宅の平均価格は3000万円台だが、これは中心が郊外だからだ。これも都心に目を向けなければ、マンションの半分近くの値段で買えてしまうという考え方になる」。

■「オフィスにかかる費用を家賃手当として社員に出してあげた方がいい」

“都心から郊外へ、マンションから戸建てへ” リモートワークが当たり前の時代、住まいに対する考え方に変化

 株式会社LABOT代表取締役の鶴田浩之さん家族も、自宅でのリモートワークを経験したことを機に、港区麻布十番から神奈川県川崎市の元住吉に引っ越した。1LDKで月の家賃が24万円の物件から、2LDKで月の家賃約20万円の新築マンションだ。通勤時間は徒歩15分から、電車の乗車時間も含め、40分に延びた。

 「2月から段階的に、3月30日からはフルでリモート体制にして、在宅勤務を1カ月続けた。しかし、子どもが泣き始めて、脱衣所、お風呂場、ベランダでミーティングをしたこともあった。やはり都内の1LDKは無理があるので、もう少し広い所に行きたいなと思い始めた。とはいえ家賃を上げたいわけではないので、遠くてもいいやと。家賃が月々4万円くらい下がって、部屋の広さは1.6倍くらいになった」。

 物件選びでは、ルーフバルコニーかウッドデッキがあるところを探したという。「起きてから寝るまで家にいるときなどは外に出て行くことで息抜きしていたが、前の物件では一日に1時間しか陽が当たらなかったので、やはり太陽の光を浴びなくなっていた。次は家の中のどこかにそういう場所が欲しいということで。今では土いじりを始めて、ミニトマトを育てたりしている」。

“都心から郊外へ、マンションから戸建てへ” リモートワークが当たり前の時代、住まいに対する考え方に変化

 オフィスが大好きで、ベンチャー企業を立ち上げた頃は寝泊まりもするほど“職住一致”派だったという鶴田さん。必ずオフィスから徒歩15分圏内に住むようにしていたというが、少なくとも向こう1、2年は“出社は週に1回”と決めたという。「オフィスで社員やお客様とコミュニケーションする時間を一日に集中させた。Zoomなどと併用することで、むしろ会議の時間が短くなるなど、効率化している」。

 さらに、オフィスも3月末に解約した。「12月に契約をしたばかりなので、買い揃えた揃えた椅子などを売り払ったりしたが、それでも2000万円くらい損してしまった。それでも集まるときはコワーキングスペースの会議室を6時間貸し切ることにした。私たちは20人ほどの会社だが、1人あたり必要な坪数から割っていくと、従業員1人当たり7~8万円のコストがオフィスにかかるといわれている。それなら同じ額の家賃手当を社員に出してあげた方が、1部屋ないし2部屋多い物件に住むことができるようになる。現状では家賃手当は課税対象だが、社員の家の一部が分散型のオフィス、ワークスペースということになれば、法人としても損金計上できるのでいいのではないか」。

“都心から郊外へ、マンションから戸建てへ” リモートワークが当たり前の時代、住まいに対する考え方に変化

 鶴田さんの話を受け、山下さんは「リクルートの調査でも、大半の人はリビングのテーブルで仕事をしていることがわかっている。そのくらい自分のスペースがない。今後はやはり1部屋、余分に欲しいということで、3LDK、4LDKから3LDK+ワーキングスペースのような発想になってくるのではないか」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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