決して一括りにはできない“夜の街” 「政府、自治体は細やかな対応を」スナック研究も手掛ける法哲学者が懸念
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 感染拡大を注意喚起する「東京アラート」が発動されている東京。都内では20代の感染が多く、直近の感染者の約3分の1がホストクラブの従業員など、いわゆる“夜の街”で働く人や、パーティーに参加した人たちだとみられている。

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決して一括りにはできない“夜の街” 「政府、自治体は細やかな対応を」スナック研究も手掛ける法哲学者が懸念

 そのため、都では木・金曜日の夜間、職員が警視庁などと連携し歌舞伎町での見回り活動を実施。一方、都の「ロードマップ」上は「ステップ2」にあり、バーやスナックなどは現在も休業要請中だが、飲食店については午後10時まで営業が可能とされている。

 『ABEMA Prime』が5日夜の歌舞伎町の様子を取材したところ、窓を開け放し、自動ドアが閉まらないようにして換気を良くしたり、アクリル板の仕切り、店員のフェイスシールド着用による飛沫防止をしたりするなど、感染症対策をしながら営業している店が多いようだ。また、営業しているバーやスナック、ホストクラブなどもあったようだ。

決して一括りにはできない“夜の街” 「政府、自治体は細やかな対応を」スナック研究も手掛ける法哲学者が懸念

 サントリー文化財団から研究助成を受けた「スナック研究会」代表を務め、成果を『日本の夜の公共圏――郊外化と人口縮減の中の社交のゆくえ』にまとめた谷口功一・東京都立大学法学部教授(法哲学)は「例えば3密対策をとっている居酒屋とホストクラブが一緒かと言えばそうではないし、“バーやナイトクラブ”と言っているが、ガールズバーと喋らないで良いお酒を飲む、いわゆるオーセンティックバーは違う。それからスナックも全部一緒くたに“夜の街”と括ってしまうのは妥当なのだろうか」と疑問を呈する。

 「スナックについては、私はタウンページから取った数字から7万軒くらいあると推計していて、第一興商やサントリーなど営業網を持っているところは詳しい数字を知っているだろうが、何軒あるのかは、本当の数字は誰もわかっていない。 9割以上は深夜酒類提供飲食店といって、風適法の届け出で営業できる店だ。これはいわゆる静かなバーや居酒屋も同じ括りになる。その一方、キャバクラやナイトクラブなど、客の横に付いて接客ができるようなものは、風営法上の許可を取らないといけないが、その許可を取って営業している“スナック”も1割くらいある。このように、夜の仕事は法律的に定義にグレーな部分があるので、線引きをするのが難しいところが出てくる。今月4日ぐらいになってから、“ステップ3“の“接待を伴う飲食店”の“接待”が、この風営法上の接待行為ではないかということが分かり始めたために、閉店して損をしたという話が出てきている。もう少し政府、自治体は細やかな対応をして、“この店はやっていい”ということを言った方がいいと思う」。

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 また、谷口教授は歌舞伎町ばかりがクローズアップされていることについても、「“夜の街“を一括りにして、歌舞伎町をその代表にするのはちょっと微妙な部分がある。池袋もそうだが、ターミナル駅の繁華街は誰が来るか分からないが、私が住んでいる都下、多摩地方にある何軒かのスナックに話を聞いたところ、常連を対象に事前に予約してもらって、感染症対策も徹底的にやっている。お客さんの方も店を潰したくないので、そういう馴染みの店に行っている。都内(23区)と都下では感染状況も違うし、もう少し細かい議論をした方がいいかと思う」と指摘した。

 その上で「谷口氏は「中小商工業者、飲食店の場合、運転資金が最大で2カ月くらいというのが普通だが、すでに2カ月近く閉めていたわけで、本当に大変な状況だと思う。休業補償も実際に入ってくるのは6月末くらいということだ。水商売は基本的に日銭でやってる商売なので、お金が入ってこないと本当に飢えてしまう。確かに問題になっているホストクラブなどについては“閉めてください”と言う必要があるかもしれないが、そのためには何らかの補償をすることが大事だ。政治家は人が嫌がることを言うのが仕事。責任を引き受けて欲しいと思う」と訴えた。

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 3年ほどバーに関わっていたという慶應義塾大学の若新雄純特任准教授は「フランチャイズの店ではルールを守らなければ気まずくなるが、個人経営の店は常連さんとの関係性で成り立っている部分が多いので、お互いに甘えてしまう。客としては半ば“自分の空間”、店としては関係を壊したくないという気持ちから、なあなあになってしまいがちだと思う。しかし逆に言えば、誰が店に来たかは記録しやすいという面もあるので、都の職員も“気をつけて下さい”というだけでなく、ならではのやり方を模索してもいいのではないか」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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