「少年院に入ったから変われるということはないと思う」少年法の対象年齢引き下げの前に、再非行防止のための教育が必要?
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 2022年に成人年齢が20歳から18歳に引き下げられるのに合わせ、少年法の対象年齢も18歳に引き下げるべきではないかとの声が上がっている。

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 刑罰よりも更生、社会復帰の後押しを主眼においた少年法の是非については、これまでも凶悪事件が報じられる度に議論されてきた。“罪を犯しても少年法によって守られている”と表現されることもあるように、成年に比べて刑罰が軽減される、少年院は前科がつかない、実名が公表されないといったことを理解した上で罪を犯す加害少年たちもいる。実際、見ず知らずの男性を軽トラックで轢いて死なせたある事件の加害少年は、“自分は少年だから死刑にならない”と話したという。

 また、検挙された少年のうち、再び非行により検挙された少年が占める割合「再非行少年率」は30%を超えている。こうした背景には、矯正教育など再非行防止の課題もありそうだ。

■「少年院に入ったから変われるということはないと思う」

 ノハラヒロユキさん(仮名)は、幼少期に両親に捨てられ養護施設に入所、中学を卒業すると犯罪を繰り返し、17歳の時に銃刀法違反で逮捕され、少年院に入所した。更生プログラムを受けて1年後には仮退院し、無事に就職先を見つけ、現在は建設会社に勤務している。「やってしまったことに変わりはないので、そこは被害者に申し訳ない。今もたまに顔を出して、謝罪したりしている」。

 一方、「勉強や筋トレをしたり、後は作業などがほとんどメイン。先生には頭ごなしに色々言われるし、辛くて、楽しくない。だから自分の問題と向き合うというより、早く出たいがために“いい子”になる。自分がやってきたこと、そしてどういうふうに社会復帰するのかについて、自分自身でよく考えなければ、更生はできないし、少年院に入ったから変われるということはないと思う」と、少年院での教育の課題も指摘。

 その上で少年法の対象年齢引き下げには「賛成」と話し、「やってしまったことはやってしまったことなので、そこは歳に関係なく、責任をもって償わなければいけないこと。就職先も見つけるのは難しいだろうが、悪いことをした結果なので、そこはしょうがないと思う」とした。

■年齢引き下げには警鐘を鳴らすという効果もあると思う

 また、少年法改正に賛成の立場を取る、被害者支援センターとちぎの和氣みち子氏は「私の夫は5歳の頃に両親が離婚して施設に入れられたし、私も小さい頃に両親が離婚して祖父母に育てられた身。少年院ではそういう話もして、決してあなたたちと違う環境ではないと訴えている。まっすぐに育つ人は育つ。道交法も改正され、2種免許が19歳からになった。そういう面からもどんどん年齢が下がっている。罪は罪として償ってもらうということが一番だし、対象年齢が下がることは、警鐘を鳴らすという効果もあると思う。加害者は人権が守られて、屋根のあるところで生活をし、1日3度の食事が摂れる。病気になれば、お薬も処方される。ところが被害者は自分たちで何とかしなさいというのが日本社会」と話す。

 当時50代の男性の飲酒運転による交通事故で娘を失った和氣氏。「私も少年院で矯正教育に関わっているが、確かに先生の言うことをよく聞いているのかなという感じは受けているし、全員が全員、私の体験談を聞いて共感してくれているわけではないと思っている。それでも自分の犯した罪に向き合って、今後どういうことをしなければいけないか考える場所が少年院だと思う。よく、少年院や刑務所で償いをしているという人がいるが、それは間違いだ。償いは少年院を退所、刑務所を出所してから始まる。私の場合も、加害者が3年半の刑期を終えて我が家に来てくれたが、刑務所の中では矯正教育もされず、事件に向き合ってもいなかったし、これから自分がどういうふうに生活をするかも全く考えていなかった。1カ月の猶予をあげるので、手紙でも電話でもいいから連絡をしてくれと言ったが、それから17年、何の音沙汰もない。加害者たちは出所すればもう終わりというような状況なのに、被害者は一生被害者をやめることはできない」。

■年齢引き下げで保護更生の機会が失われる…生育環境の問題も

 一方、年齢引き下げに反対する専門家が多いのもまた事実だ。この問題に詳しい金矢拓弁護士は、少年犯罪の99%は道交法違反や窃盗などの罪であるたあめ、年齢が引き下げられることで起訴猶予処分で終わり、むしろ保護更生の機会が失われてしまうことを懸念する。

 同じく少年法改正に反対の立場を取っており、法務省に声明書を提出したメンバーの一人でもある山口由美子氏は、西鉄バスジャック事件の被害者でもある。「事件の被害者、当事者として事件の現場を経験し、辛くてこういうことをやらざるを得ない、そこまで精神的に追い詰められていると感じた。普通は面会することはできないが、医療少年院の院長先生が向き合わせることがお互いのケアになるという信念を持っている方だったので、会いに行った。謝ってもらおうと思っていたわけではないが、彼は私に深々と謝ってくれた。心から謝ってくれていることが伝わった。普通、被害者は加害者に謝ってもらえない。私はそのことが一番問題だと思っている。彼自身は、医療少年院で、育て直しというか、自分の足で立てるように教育されたのかなと感じた」。

 その上で山口氏は「私も少年院や少年刑務所に行って話させてもらっているが、やはり加害者は国のお金で生活している。でも被害者は置き去り。それは絶対に問題だと思っている。ただ、事件を起こす子どもたちは虐待を受けて居たりするケースも多い。安心して暮らせない状況で育ってきている子どもたちを、普通に育って来た子どもたちと一緒に考えていいのか。その問題も押さえなければいけない」と指摘していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

▶映像:「被害者は一生被害者なんです」20歳から18歳へ引き下げ"少年法改正"に賛成・反対の意見から議論

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