マスクと熱中症、プールの水、避難所の密…これからの季節に心配されるコロナ対策とのバランスは
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 3日連続で感染者数が20人を下回り、感染拡大に警戒を呼びかける「東京アラート」の解除が取り沙汰される中、10日の東京では熱中症による救急搬送者数が11人に達している。

・【映像】夏に向け"マスク熱中症"に注意

 東京都心が2日連続で30℃超えの真夏日に、福島県や長野県などでは35℃以上の猛暑日となっており、「すでに暑いのに、夏にマスク着用はきつい…」「感染症対策と熱中症対策…マスクはどうするべき?」といった不安の声も聞かれる。

 10日の『ABEMA Prime』に出演した関西福祉大学の勝田吉彰教授は、夏場のコロナ対策について「感染状況が今ぐらいの水準に落ち着いているという前提での話にはなるが、“熱中症対策を優先させてください”と言いたい」と訴える。

 「体の中に熱がこもって排出できなくなり、バランスが崩れた状態が熱中症だ。コロナのリスクの高い60代、70代は熱中症リスクも高い。若い世代は体内に予備的な水分があるので多少の脱水なら助かるが、高齢者はお金で言えば破産ギリギリで何とかしている状態なので、たちまち危険なところまで行ってしまう。コロナは治療の施しようがあるが、熱中症は手遅れになると即死してしまう。マスクをすることによって、そのリスクが高まることはあり得る。初期症状である筋肉のピクつきなどがあればすぐに冷やし、もしマスクをつけているのであれば外していただきたい」。

マスクと熱中症、プールの水、避難所の密…これからの季節に心配されるコロナ対策とのバランスは

 その上で勝田氏は人体に影響を与える「気温」「湿度」「周辺の熱環境」を基に算出した指数(単位は℃)である「暑さ指数(WBGT)」に注目するよう呼びかける。「たとえば環境省のホームページには、『熱中症指数(WBGT値)』が地図上に色で分かりやすく表現されている。日々、自分のいる場所がどれくらい危険なのかを把握し、危険域(28℃以上)に入った場合はマスクを外し、代わりに2m以上の距離を取るソーシャルディスタンスを取るようにしてほしい」。

 室内の熱中症予防にはエアコンが有効だが、アメリカのCDCによれば、飛沫が気流で流れたことにより感染が広がったと考えられるケースもあるという。勝田氏は「クーラーはつけておいた方が、こうすれば防げるという名案はないので非常に悩ましい。ドアを開けることや、外付けの空調で換気するという方法はあると思うが、空気清浄機も機種によって違うので一概には言えず、これをつければ大丈夫だという断言はできない」とした。

 また、気になるのがプールでの感染リスクだ。勝田氏は「プールの水には塩素が入っているので、病原体の多くは無くなる。基本的には水を飲んでしまっても消化器の方にいくし、胃の中はセーフだ。よほど溺れたような状態でなければ、呼吸器にいく可能性は非常に低いと思う。むしろ、プールに入る前後のロッカールームの3密、換気、接触の方がリスクは高い」とした。

マスクと熱中症、プールの水、避難所の密…これからの季節に心配されるコロナ対策とのバランスは

 さらに、各地では梅雨入りが発表されており、降雨による災害も予想される。自治体の避難所でのコロナ対策(内閣府通知より抜粋)には「可能な限り多くの避難所の開設→通常災害時より避難所を増設。ホテル活用等も検討」「親戚や友人の家等への避難の検討→過密回避のため親戚宅等への避難を検討してもらう」、他に避難所の衛生環境確保、十分な換気の実施、スペースの確保等がある。

 勝田氏は「1人あたり3.5平米以上のスペースを取るべきだという“スフィア基準”というものがあるが、それを基準に考えると、日本での避難所はしょぼすぎる。これを機会に避難所の数を増やすこと、体育館にたくさんの人を寝かせるのではなく、冷房の入っている教室を使うことなどの対策をすべきだ。また、アメリカ軍がダイヤモンド・プリンセス号から国民を連れて帰ったが、軍に2週間滞在できる収容施設があった。日本も長期的な視野を持って、感染症の際の隔離や災害時のための施設を作ってはどうだろうか」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

▶映像:夏に向け"マスク熱中症"に注意

いよいよ夏本番! "コロナ感染症or熱中症"どちらを優先すべき? 豪雨避難などのリスクも
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