4月から放送中のアニメ『八男って、それはないでしょう!(以下、八男)』が6月18日、ついに最終話を迎える。
原作はY.A氏によるシリーズ累計発行部数270万部突破の人気小説で、藤ちょこ氏がイラストを担当。主人公は、商社に勤めるサラリーマン・一宮信吾が転生したド田舎の貧乏貴族の八男・ヴェンデリン(=ヴェル)。領地を継げる見込みもないヴェルだったが、魔法の才能に恵まれており、冒険者予備校に特待生として入学。やがて有力貴族のひとりとして身を立てるようになり、貴族社会のしがらみをサラリーマン時代の経験で乗り越えていこうと奮闘していく物語だ。
▶︎放送:クルト(CV:杉田智和)との争いに決着! 最終話「八男って、それもありでしょう!」(6月18日22時30分~)
いよいよ物語が佳境を迎える今、ABEMA TIMESでは同作でヴェンデリン役を務める榎木淳弥にインタビューを実施。物語の魅力を聞いた。
■ヴェルのように大金を与えられたら「困っている人にあげたい」
―― ついに最終話を迎える『八男』ですが、振り返ってみた感想を教えてください。
榎木:収録はかなり前に終わっていたので、オンエアを観ていると新鮮な感じがしました。アフレコしていたときの僕自身の考え方が演技を通じて見えてきて、面白いですね。「このシーンはこういう風に完成したんだ」「自分はこんな感じで芝居をしていたんだ」と、毎回楽しく見ています。
―― 第9話でヴェルに報奨金として与えられた金貨1000万枚は、レートにもよりますが、国家予算規模の大金です。大金を得たら、榎木さんはどのように使いたいですか?
榎木:自分で持っていても仕方がないので、生活ができるくらいの金額を自分用に確保して、親にあげて、もう残りは困っている人にあげたいです。僕はこれといって欲しい物がないので(笑)。
―― 榎木さんは貴族ではなく庶民として『八男』の世界に転生してもうまく生きていけそうです。
榎木:今が庶民なので、転生するなら貴族が良いですね。貴族特有のしがらみはありそうですが、いろいろ自由にできる特権、貴族だからこそ有利なものもあるんじゃないかなと思うんですよ。だから、出しゃばらなければ他の貴族に潰されないんじゃないかな(笑)。もし貴族に転生してもそんなにぜいたくしすぎなければ、面倒事に巻き込まれずに生活を維持できる気がします。
―― 『八男』はおいしそうな料理がたくさん登場します。榎木さんは甘いものがお好きとのことですが、食べる専門ですか。
榎木:はい。買ってきたものを食べるだけです(笑)。「STAY HOME週間」では少し料理をしましたが、僕は面倒臭さが勝ってしまって。料理はヴェルみたいに魔法で楽をできるならやりたいです。
―― 『八男』ではケーキや水飴も出てきました。パーティメンバーたちと食べたいものがあれば教えてください。
榎木:お菓子ではないですが、僕は寿司が好きなので、みんなと寿司を食べたら楽しそうだなと思います。桶に入った寿司ってワクワクしますし、みんなで桶で食べたいですね。一番好きなネタはサーモンですが、第9話のようにマグロまるごと1匹とかも憧れます(笑)。
■ エルヴィン役・下野紘に感じた「さじ加減」の素晴らしさ
―― 収録現場の雰囲気について教えてください。
榎木:監督から「自由にアドリブを入れてほしい」という指示があり、役者主体で収録が進んでいきました。具体的な台詞は忘れてしまったのですが、小松未可子さん(イーナ役)が入れるアドリブがすごく自然で、なおかつキャラクターからも外れていないんですよ。些細な反応のアドリブがすごく面白いんです。現場で見ていてすごいなと思いましたし、勉強になります。
―― 榎木さんは6月9日放送の『声優と夜あそび 2020』でもエルヴィン役の下野紘さんと共演していますね。下野さんの演技の印象を教えてください。
榎木:エル(=エルヴィン)のような愛嬌のある役って、下野さんに対する僕の中のイメージにすごく合っていて。下野さんが演じるからこそ、愛されるキャラクターになるんだなぁっていうのはすごく感じました。
エルのような男子は、元気すぎたり役者が加減を間違えたりするとちょっと鬱陶しいキャラクターになっちゃうかもしれない。でも、下野さんのさじ加減が素晴らしくて「元気だけど気のいいヤツ」というところに着地している。根っこにある「性格の良さ」みたいものがエルから感じられて、ヴェルの良き友人としてあの世界に存在してくれているんです。
特に、武芸大会を描いた第7話はエルにスポットライトが当たった回でしたし、毎度ストーリーにガッツリ絡んでくる魅力的な同性キャラクターだと思っています。
―― ヴェルやパーティメンバーたちの出世や成長するストーリーの中で、榎木さんが感慨深いなと思ったシーンはありますか。
榎木:石上静香さんが第1話・第2話で演じられたヴェルの幼少期ですね。第2話で師匠であるアルフレッド(CV:浪川大輔)と別れて前に進んでいくシーンは、転生前の世界と決別して「この世界の住人として生きていくぞ」という決意のように感じられました。このシーンは、ヴェルの人生にとっての転機だと思っています。
■ブランターク役・屋良有作にドキドキ「もはやメインキャラクターの一人」
―― 『八男』で好きなキャラクターを教えてください。
榎木:屋良有作さんが演じられていたブランタークが好きです。今回、屋良さんとは初めて現場でご一緒しました。どういうお方なんだろうなとドキドキしていたら、ものすごい優しい方だったんです。やっぱりお声も良いですし、ブランタークも周りを引っ張っていってくれる、ヴェルたちを見守りながら成長させてくれるようなキャラクターなんです。そこに屋良さんの演技が合わさって、すごく素敵なキャラクターになっていました。ブランタークもヴェルたちのパーティーの一員というか、もはやメインキャラクターの一人だと思っています(笑)。
―― 下野さんが演じるエルヴィンや、屋良さんが演じるブランタークを見ていると『八男』は男性キャラクターの個性が光っているように感じます。女性キャラクターはいかがでしょうか。
榎木:暗い雰囲気のとき、ルイーゼ(CV:三村ゆうな)がいてくれたら助かりますよね。常に元気だから(笑)。現実主義のイーナとお気楽で元気なルイーゼという良いコンビがいたおかげで、作品の雰囲気が明るくなっている。男性キャラクター、女性キャラクターのバランスが取れた作品なんです。
―― ヴェルの正妻として、婚約者のエリーゼ(CV:西明日香)がいますが、最終話で二人はどうなってしまうのでしょうか?
榎木:最終話の第12話では、ヴェルとエリーゼの関係の行方についてもきちんと描かれています。エリーゼの年齢はまだ10代なのに、聖母のような優しさや包容力が溢れ出ていますよね(笑)。いきなりヒロインが主人公のことを好きになる展開ではなく、いろいろあって積み重なって絆ができ上がっていくっていう関係性がすごく素敵なんです。ぜひ、最終話の放送を楽しみにしていてください!
―― 最後に視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。
榎木:最終話でクルト(ヴェンデリンの実兄、バウマイスター騎士爵家長男)との争いにも決着がつきます。また、エリーゼをはじめとしたヒロインたちとの関係性がどうなるか、視聴者の皆さんが気になっている部分がしっかりと描かれています。結末がどうなってしまうか、ぜひ最後まで『八男』を楽しみにしていただけたらうれしいです。
【放送】ヴェル(CV:榎木淳弥)とエリーゼ (CV:西明日香)の関係はどうなる? 「八男って、それはないでしょう!」最終話
【独占】榎木淳弥、西明日香、ゆかなが生出演! アニメ「八男」特番放送決定(6月28日18時~)
(C)Y.A/MFブックス/「八男って、それはないでしょう!」製作委員会