「楽天モバイルに対して、この製品の取り扱いの状況について利用者に影響が出ていないかといった観点から、電波法に基づく報告を求めたところだ。必要に応じて厳正に対処していく」(高市早苗総務大臣)。
楽天モバイルが販売する「Rakuten Mini」の一部機種が、総務省の認証を受けた時とは異なる周波数になっていた疑いが浮上している。
そもそも各社の携帯電話が利用できる周波数帯は、電波法に基づいて総務省が割り当てている。しかし楽天モバイルは割り当てられていたものとは異なる周波数帯に対応するように端末の仕様を切り替え、一部のユーザーから指摘を受けるまで公表していなかったというのだ。具体的には、3大キャリアが使用していた周波数帯バンド1を削除、米国で多く使用されている周波数帯バンド4を入れたことで、アメリカ本土など、海外で使いやすくなっていた。その一方、格安SIMを入れた場合に、NTTドコモなど日本の3大キャリアの回線に繋がらないなどの不具合が生じる恐れがあったという。
楽天モバイル広報は「メーカーや認証機関からは事前に『ソフトウェア上の変更なので追加申請は不要』との回答があったが、その後の社内調査により現在は『申請が必要だった』と認識している」と説明。総務省では楽天モバイルに対し、26日までに報告するように求めているが、今回の報道に、ネット上には「ほかのキャリアに行かないための措置?」「通信業者の資格はあるのか?」といった疑念の声が上がっている。
NTTドコモの執行役員を務めた経験を持つ、ドワンゴ社長で慶應義塾大学特別招聘教授の夏野剛氏は「日本においては、試験端末ですら、どの周波数で、どれくらいのパワーで出すのかということについての総務省の認可が必要だ。むしろ厳しすぎるので緩和しなければイノベーションが起きないのではないかという主張もあるくらいだ。なぜ厳しくしているかといえば、電波というのは公共の資源であり、管理をしなければ相互干渉などが起きてしまうからだ。だからこそ各キャリアはお互い干渉しないよう、基地局のアンテナを一生懸命に調整している。楽天モバイルがやってしまったことは、そこに割り込んでしまうこと。ルールを破ってしまえば、携帯電話が繋がりにくくなってしまう可能性もある。総務省はそこを重大に受け止めている」と説明する。
その上で「携帯電話キャリアとして日本でビジネスをやっていて、日本で免許を受けているので、広報の説明は言い訳にもなっていない言い訳だ。“ごめん。誰も見ていないから高速道路を逆に走った”というのと同じような話だろうが、楽天モバイルはなんでこんなことになっちゃったのかなと思う。ただ、3大キャリアに加えて新興勢力も入れないとダメじゃないかという政治的な思惑も含めて参入してきた楽天が、こんなくだらないことでポカをする理由がない。免許事業者、しかも信頼を得ようとするタイミングでこんな事をしても得られるものがないので、おそらく“凡ミス”だと思う。ミッキー(三木谷浩史会長)も部下に“メーカーが大丈夫だと言っているので大丈夫ですよ”と言われていた感じで、細かいことは知らなかったのではないか」との見方を示した。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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