将棋界のレジェンドから、次々と聞き慣れないフレーズが飛び出した。七冠独占、永世七冠、タイトル99期など、将棋に関する最多記録を総なめ状態にしている羽生善治九段(49)が、番組企画で「実戦はほぼ初めて」という、初心者・子ども向けの将棋「どうぶつしょうぎ」に挑戦。通常の将棋なら、公式戦だけでも2000局以上指している羽生九段だが、慣れない駒とルールにバッタバタ。「これはゾウで取るなあ」「ヒヨコを打って粘る…」など、レジェンドの口から出るワードの連続に大いに盛り上がった。
羽生九段は、プロ将棋界初となる超早指し団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」に、鈴木大介九段(45)、三枚堂達也七段(26)とともに参加。大会を前に、3人のチームワークを高めようと、都内にあるうさぎカフェに集合し、かわいいうさぎと戯れながら、どうぶつしょうぎで対戦するという、なんとも癒やし感満載の企画に出演した。
1人あたり8種20枚ある通常の将棋であれば、頭の中でも数え切れないほど指してきているが、ライオン、キリン、ゾウ、ヒヨコという4種しかないどうぶつしょうぎは、「しょうぎ」の名がついていても、まるで別物。「ルールも完全に把握してるかどうか。本当の初心者です」と笑っていた。
3人の総当たり戦で、まずは鈴木九段と三枚堂七段の対局を見守っていた羽生九段は、三枚堂七段から出た「よし、合わせのヒヨコで」というワードに即座に反応。「合わせのヒヨコ?」と聞き返すと、鈴木九段も「すごい手筋だ!この人、強~い」と驚いた。3×4マスとスモールサイズではあるが、将棋同様に手筋と呼ばれる攻略法の一種も存在するのが、どうぶつしょうぎの奥深いところ。2人の戦いを最後まで優しい眼差しで興味深く見ていた。
続いて鈴木九段と対局することになった羽生九段。ここでは鈴木九段から「やっぱりこれも100手、200手、1億手くらい読んじゃうんですか?」とジョークを飛ばされながら、ニコニコとうさぎを撫でつつ指し進めていた。それでも中盤以降の難所になると「ゾウはあんまり打ちたくないなあ」と、やや困った様子。さらに終盤では、敗勢になっていることに気づき「あ~、そうか、そうか。これまずいね」と、苦笑いする場面も見られた。
最後の対決は、事前に研究してきた三枚堂七段とだったが、ここでも羽生九段は不慣れなルールに苦戦気味。「これはゾウで取るなあ」「ここでキリンが制圧されているのは結構大きい」「ヒヨコを打って粘るしか…」など、ファンも聞いたことがないだろうワードが次々と飛び出した。
次回、羽生九段がどうぶつしょうぎを指すところがいつ見られるかわからないが、他のテーブルゲームにも精通するだけに、少しコツをつかめばあっという間に、最強の「どうぶつしょうぎ棋士」になっているかもしれない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)