18日の会見で「明日、社会経済活動のレベルをもう一段引き上げる」「明日(19日)からは都道府県をまたぐ移動もすべて自由となる。ガイドラインを参考に感染予防策を講じながら、社会経済活動を本格化していただきたいと考えている」と述べた安倍総理。

 これにより、きょう19日午前0時から飲食店の営業時間の制限もなくなり、県をまたいだ全国への移動も可能になった。ただ、東京都では18日にも新たに41人の感染者が出ており、その中にはクラスターとして問題視されている“夜の街”関係者が10人含まれている。自粛解除、そして“withコロナ”の生活の中、どのようにして感染を抑え込んでいけばいいのだろうか。

 歌舞伎町でホストクラブを経営する手塚マキ氏の店舗では「スタッフの検温・体調管理」「1時間に数回の換気、店内消毒の徹底」「身体的接触を避ける。大声を控える」「グラスや瓶の回し飲み禁止」「マドラーは客、キャストそれぞれで使用」「顧問医師・衛生管理部の設置→精神面の相談可能に」といった対策を講じている。「ずっと言っているのは、ちょっとでも具合が悪かったら出勤しないこと。そして会社に衛生管理部を作り、健康管理や衛生環境に力を入れていこうとしている。ただ、感染者が出てしまった場合、いつから営業を再開していいのかといったことについて、行政がはっきり指し示していない。検査に協力的ではないお店もあるのは、そういう事情もあると思う」。

 一方、接待を伴う飲食業の補償には、東京都「感染拡大防止協力金:最大100万円。2度目の給付も」、国「持続化給付金(最大200万円)。家賃支援給付金(最大600万円)、雇用調整助成金(上限1.5万円/日、33万円/月)」といったものがある。「当初、僕たちは様々なところで対象から除外されていて、特に国や銀行の融資が受けられないことがネックになっていた。しかし5月からはセーフティネット保証5号の対象に入ったことで、信用保証協会、政策金融公庫からお金を借りることができるようになった。もちろん借金ではあるが、どの業界も変わらないくらい損害は出ているし、ホストたちは持続化給付金もある。今すぐにどうこうということにはならないと思う」。

 商店街振興組合常任理事も務める手塚氏は、新宿区が18日夕方に開催した「繁華街新型コロナ対策連絡会」にも参加した。

 「今月頭から新宿区で感染者が出ているが、問題はその先が追えていないことだった。そこで、ホスト業界など水商売の人間が保健所に協力し、感染経路を追えるようにするためにはどうしたらいいかを話し合う意見交換会を開いてもらった。都知事があれだけ“夜の街、夜の街”と言っていたし、僕らのことは排除する気持ちなんだろうと思っていたが、吉住区長から出たのは、“あなたたちを取り締まりたいのではない。同じ区民としてあなたたちの健康が大事だし、二次感染を広げないための方法を保健所と共に考えたい”という言葉だった。区長がそんな思いを持っているとは思っていなかったので、その気持ちを事業者に直接伝えてくれませんかとお願いしたところ、何回にもわたって経営者たちに話をしてくれた。今回の連絡会はその延長で、他の事業者たちも含めたものだ」。

その上で手塚氏は「感染者が出た店のことは業界内の噂で入ってくる状態で新宿区も保健所も教えてくれなかったが、18日になって保健所から“ホストクラブに関してはかなり追跡調査ができているので、このままちゃんと引き続き協力してもらいたい”と言われている。ここからがスタートだし、歌舞伎町の現状を考えると、より気を引き締めていかなければいけないという空気感だ。働いている人間だけではなくて、歌舞伎町に来る人間たちは、刹那的に生きていることが多い。明日のことを考えて酒を飲むよりも、明日のことなんて忘れて、今日稼いだ金を今日使って飲む。だからこそ面白い、魅力的な町だった思う。だからといって、全員が全員、開き直って“俺たち関係ねえよ”と営業しているわけでは決してない。自分自身も怖いし、意外にみんなビビりながら、ちゃんとやっていると思う。もともと一致団結しようという気質はないと思うが、それでも西村大臣や吉住区長の態度が伝わった人間は増えてきているし、協力していこうという気持ちになってきていると思う」とした。

 厚生労働省やWHOで医療政策に携わった東京大学大学院特任研究員の坂元晴香氏は「今は医療機関に入院されている方がだいぶ減ってきたので、その意味でも、まずまずのタイミングでの解除だと思う。感染症の性質上、やはりゼロにしていくということは難しい。それでも少数かつクラスターや感染経路を追えていればコントロールができるものでもある。発生時にしっかりと追える体制、そのための関係者間の協力体制は非常に重要だ」と指摘。「ただ、どこまで店の情報を公表するかは非常に難しい。注意喚起のために公表することで人々の意識が高まる一方で、差別や偏見を助長しかねない可能エイもある。それは夜の街に限らず、慎重になった方がいいと思う」と話していた。