新型コロナウイルス感染防止のための外出自粛によって観光業やインバウンド消費などが深刻化する一方、生活スタイルの変化やテレワークによって、オンライン関連のビジネスが活況となっている。

 特に宅配サービス、不動産(テレワークで郊外移住増)、スーツ買い取り業、リフォーム業、DIY関連、便利屋などの売り上げが増えており、早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄氏も「UberEATSがわかりやすいと思うが、在宅消費、在宅をサポートするものがとにかく伸びている。また、あまり注目されていないものとして、企業のデジタルの業務変革をするビジネスも延びている。日本の会社は判子を使うなど、生産性が低く、効率が悪かったが、コロナによって業務変革を迫られている。そこでSaaSといわれるサービスを提供するベンチャーに依頼をしている」と話す。

 さらに入山氏が注目しているのが、バーチャル・ゲーム業界、音声メディアビジネス、乗馬ビジネスだという。「音声メディアビジネス、乗馬ビジネスはコロナと関係なく伸びていくと思っているが、バーチャル業界はものすごく重要だ。プラットフォーマーは、皆が使うからそのサービスを使うようになる。LINEも、他にもメッセージングアプリがあるのに使うのは、皆が使っているからだ。コロナ前からあったZoomも、みんなが使うようになったのでプラットフォーマーになってしまった。これから、機能を拡張していくはずだ」。

 一方、一足先に経済活動が再開した中国では、“ライブコマース”がさらに勢いを増しており、2017年には2850億円だった市場規模は、昨年には6兆5070億円さらに今年は14兆4150億円に達するとの推計もある。中国トレンドマーケターのこうみく氏は「今までは若者が中心だったのが、みんながライブコマースで物を買うといった文化が根付いたし、絶対にライブコマースに出てこなかったような芸能人や企業のCEO、政治家までもが配信者として出てくるようになった。それによって、おじいちゃん、おばあちゃん、田舎の人にも広がっていった。ただ、伸びた先の課題もある。とにかく、ありとあらゆる人が入ってしまったために、あまり質の高くないものも出てきてしまっている」と話す。

 その上で、「日本でもインスタライブで服や化粧品をライブ配信をしながらお客さんと話をして買ってもらうという導線を引くというのが日本だと徐々に広まりつつあるが、中国ほど爆発的には伸びないというのが私の見通しだ。中国では30代以下の層が厚く、お金を持っているのも若い人たちだ。そこが中国と日本の大きな違いだ」と指摘した。