「無くせとは言えない。必要だという人のことも優しく見守っていただきたい」“はんこ議連”会長代行・城内実議員が激論
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 新型コロナウイルスの感染防止のため、リモートワークの推進が呼びかけられている昨今。しかし、押印など、紙の書類の仕事のためだけに出社することを余儀なくされる会社員がいることも指摘されている。

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 いまや、デジタル化を阻害するアナログの“象徴”とさえ見られている印鑑。そこで26日の『ABEMA Prime』では、自民党の「日本の印章制度・文化を守る議員連盟」、通称“はんこ議連”の会長代行を務める自民党・城内実衆議院議員を招いて議論。2ちゃんねる創設者のひろゆき(西村博之)氏らと、激しい言葉の応酬となった。

■「はんこを無くせとは言えない」

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 この日は折しも“アナログ”と“デジタル”の板挟み状態にあった竹本直一・情報通信技術(IT)政策担当大臣が、“はんこ議連”会長を交代していたことを明らかにした。さらに竹本担当大臣は「はんこというのは日本の文化の一形態。邪魔だから消してしまえという考え方は持っていない。私の基本的な対応は、デジタル化とはんこの継続ということの利害が相反する時は、デジタル化を進めるということが私の仕事であるので、デジタル化を優先する」とも述べている。

 「はっきり言えば、誘われたので、あまり深く考えないで議連に入った。最初は“別になくてもいいじゃん”くらいの感じだったが、はんこは便利なものだと思うようになった」という城内議員。

 はんこの存在意義について「私が住んでいたことのあるドイツでは、“意思の担保”をする際にはサインをする。しかし日本人にはサイン文化が無く、同じようなサインは書きにくいので、はんこをポンと押す方が簡便だ。そして、信頼できる人に預けることもできる」「神業の職人が作っているというもの、素材や、開運というところにこだわっている方もいる」と説明。

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 一方、ひろゆき氏は、はんこ議連について「政治家は顔を出すだけでリスクを背負うことになると思う。なぜやるのかが不思議なくらいだ」と批判。

 その上で、「そろばんとか毛筆が好きな人は勝手にやればいいし、文化として残したければそれでいいと思う。ただ、リモートワークを進めれば生産性が上がるし、身体障害者などもより働けるようになる。日本のために、紙とはんこを無くす方向で一緒に頑張りませんか?、リモートモートワークができる人には紙とはんこを使わせるなと言ってもらえますか?」と詰め寄った。

 これに対し、城内議員は「意味のないはんこ決済はやめていいし、はんこのために出社する必要はない。私もゆうパックが来た時はサインで、はんこは押さない」としながらも、「はんこを無くせとは言えない」と断言する。

 「私の地元にははんこ産業はないし、はんこ屋さんがバックについているということもない。それでも、はんこがなぜ必要かといえば、“意思の担保”だ。それは確かにサインでも拇印でもいいが、紙に手書きで、そこに実印が押してあるものとそうでないものだったら、どちらが意思の担保ができるのか。認印はサインでもいいが、意思の担保という形では、やはりはんこをしっかり押すことによってお墨付きを与えるということも大事であって、それが“くまちゃんマーク”とか、わけの分からない記号では、感覚的にもダメだ。そして、世の中には、今までやってきたスタイルでやりたいという人もいる。どうしても紙が必要だというお年寄りが取り残されてもいいのか」。

 ひろゆき氏は「使いたい人は使えばいい。しかし会社員の場合、“このはんこを押さなければいけないから出社しろ”と言われれば、従わなければならない。“リモートワークのために紙とはんこはなくてもいい”と言って欲しいという話だ。“基本的に会社ではんこを使うのを止めましょう”と言ってもらえるか」と重ねて尋ねると、城内議員は「うちの会社はやめるというところはやめたらいい。それぞれの会社に任せるべきだ」との考えを示した。

■「排除しないで、温かく、優しく見守っていただきたい」

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 また、慶應義塾大学の若新雄純特任准教授は「僕は会社経営もしているし、公証人役場で遺言も作ったので、色々な場面ではんこを押してきた。個人の証明は絶対にこれでなければならないというわけではないが、印鑑証明は残せばいい。しかし認印についていえば、みんな100均で買ってきたものを使っている。しかも、はんこの陰影は自由で、“くまちゃんマーク”だっていい。僕の会社が登録しているはんこの陰影なんて、“ニートがベッドで寝ている”絵だ」と話し、「城内さんの話は、完全に宗教、信仰だと思う」と指摘した。

 城内議員は「あなたの考え方はおかしい。あなたみたいに“くまちゃんマーク”のはんこを押す人はバカだなと思う」と反論。

 「何度も言うが、はんこを押すためだけに出社するのは意味がない。しかしインターネットを使うことができない、どうしても紙を使いたい、という人もいるということだ。はんこが好きな人、開運などにこだわる人もいる。そういう人たちを排除しないで、温かく、優しく見守っていただきたいし、電子的な認証の代わりに、はんこ、サインを残すことくらいは認めてあげてもいいのではないか。印章業者の方にも、“今はデジタルの時代なので大いに電子申請で結構だ”と言った。こういうことを言っていいのかと聞くと“こういう時代だから当然ではないか”と言う人もいる。はんこ産業に携わっている人は廃業して自殺して死ねというような“はんこ絶滅論者”もいるかもしれないが、多様な選択肢があっていいと思う」と強い口調で訴えた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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