7月10日(金)から12日(金)までの3日間、いわき平競輪場で第16回『サマーナイトフェスティバル』というGIIレースが行われます。
▶映像:連日、レースを生中継 ABEMAの競輪・オートレースチャンネル
GIIとはいえ、S級S班9名が揃い踏み。この半年間にGI、GII、GIIIで優勝した選手やFIで優勝回数の多い選手などといった“近況一番強い選手”が集結した、GIレベル、いやそれ以上に激しいバトルがくり広げられる3日間、いや、3夜なのです。
『サマーナイト』という名の通り、夏の夜に開催されるグレードレース。夏の夜の祭典。それが『サマーナイトフェスティバル』です。優勝者には“夜王”の称号が授けられます。
競輪のナイター競走が始まったのは1998年(平成10年)、函館競輪場でした。平日開催でも仕事帰りのお客さまが数多く来場できるということで人気を博していく中で「ナイター開催のグレードレースが観たい!」というファンの声が高まり、2005年(平成17年)に初めて開催されました。
当初は2日制。2015年(平成27年)からは3日制になって、今に至ります。2014年(平成26年)からは『ガールズケイリンフェスティバル』が同時開催されるようになりました。今年も開催されます。
ちなみに東京オリンピック延期ということもあって、男子も女子も自転車トラック競技ナショナルチームのメンバーが揃って参戦。前述した選考基準も相まって、現在の競輪界を代表するオールスターが夜王、そして夜の女王を目指して戦う3夜になるというわけです。
レース展望についてはコチラを確認していただくとして、ここでは戦いの舞台となるいわき平競輪場についてお話していきましょう。
いわき平競輪場は福島県いわき市にある競輪場です。1951年(昭和26年)2月5日開設。当初は平競輪場でしたが1991年(平成3年)4月から現在の名称になりました。2005年(平成17年)から1年かけて大規模なリニューアル工事を実施。ビル3階分の高さまでバンクを持ち上げたことで「空中バンク」と呼ばれています。
過去には1978年(昭和53年)に『日本選手権競輪』、1997年(平成9年)と2006年(平成18年)には『全日本選抜競輪』が開催されていますが、競輪ファンにとっていわき平競輪場といえば『オールスター競輪』のイメージが強いでしょう。過去に7回開催。来年2021年の開催も決定しています。ちなみに『サマーナイトフェスティバル』は2013年(平成25年)に開催されているので、今年は7年ぶりの開催となります。
さてバンクの特徴ですが、それはなんといっても屋外では日本で唯一となる構造物の上に設置された空中バンクということでしょう。国内では唯一、バンクの中からレースを観戦できるようになっています。
1周は400m。形状はオーソドックスな400バンクで2015年(平成27年)の全面改修によって凹凸のない走路になり、選手にとっては走りやすいバンクと言えるでしょう。直線は400バンクの中で3番目に長く、追い込み選手が有利というのが基本となります。
ちなみにバンクの外周だけでなく内周も観客席があるため、内外周のすべてが透明なポリカーボネートの板で覆い尽くされており、走路に入り込んだ風の逃げ道がなくなってしまって選手が受ける影響は大きくなります。ピンポイントの天気予報などで風速が強ければ風の影響は大きくなるので、先行捲りが有利なレースでは穴が出やすい可能性も考慮しておきましょう。今回は夏場なので恐らく風の影響はあまりないと思われますが、念のため。
ここ数年のいわき平競輪場で印象深いレースといえば2018年(平成30年)に開催されたオールスター決勝で脇本雄太選手が逃げて優勝。念願の特別競輪初タイトルを獲得したレースです。脇本雄太選手にとっても印象深いでしょうし、良い想い出のあるレース場になっているはずですから普段以上の力を発揮する可能性は高いかもしれません。まあ、元々、優勝候補筆頭なのにそんなメンタル要素が加わったら鬼に金棒になってしまいますが……。
要するに追い込み有利が基本ではありますが、力があれば先行捲りでも勝てるということだけは覚えておいてください。
というわけで、そうそうたる面々が空中バンクで夜王を目指すサマーナイトフェスティバル。略して“サマナイ”3夜を是非楽しんでください♪