九州豪雨 コロナ禍で「指定避難所」以外の選択肢も 被災生活で心を保つ4つの“や”
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 記録的な大雨に襲われている九州。気象庁は6日午後、佐賀県、長崎県、福岡県に大雨特別警報を出した。

【映像】被災生活で心を保つ4つの“や”

 大雨は週半ばにかけて警戒が必要で、7日12時までの雨量は多いところで、九州北部で250ミリ、九州南部で150ミリ。8日12時までの雨量は、九州北部で250~350ミリ、九州南部で200~300ミリと予想されている。河川の氾濫や土砂災害など、厳重な警戒が改めて必要だ。

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 今回大雨をもたらしているとみられる活発な雨雲の集合体「線状降水帯」について、気象予報士の穂川果音氏は梅雨の終わりに発生しやすい点を説明。2017年7月5日~九州北部豪雨、2018年6月28日~西日本豪雨、2019年6月29日~九州南部の豪雨も、この線状降水帯による影響だ。

 このあと前線は北上する見込みで、西日本から東北地方にかけて広い範囲で大雨に警戒が必要だという。穂川氏は、すでに地盤が緩んでいる地域の土砂災害や河川の増水に注意するとともに、気象庁がHPで公表している大雨警報(土砂災害)の危険度分布や指定河川洪水予報などの情報を確認するよう呼び掛けた。

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 避難に際しては、新型コロナウイルスの感染防止の観点から、人が集まる避難所に行くことをためらうことも懸念される。こうした場合、避難場所は1つではないとし、「指定避難所」(各自治体が指定した施設)のほか、「安全な場所の親戚・知人宅」(不特定多数の人との接触回避)、「安全な場所で車内待機」(プライバシー確保や他人との接触回避。エコノミー症候群等のリスクには注意)、「在宅避難」(安全であれば動かない。1階から2階への垂直避難も)などもあるとした。

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 さらに心配なのは、避難した後の生活における心の疲労。臨床心理士として被災地支援も経験した明星大学准教授の藤井靖氏は、被災生活で心を保つ4つの“や(やくわり、やさしさ、やすむ、やくに立つ情報)”を解説。「避難所で何もせずに不安な気持ちで過ごすというのは、よりストレスが溜まるものなので、他のことや生活を保つための作業を通して気持ちを整えてもらうために、家族間、ご近所間、友人間などで個人が何らかの“役割”を持つことは大事。また“優しさ”ということで、ちょっとした挨拶や『ありがとう』の一言など、お互いに心のエネルギーを与えられるといい。そして、過敏になったり、苛立ったり、現実感がないなど、気持ちは落ち着かないと思うが、体の疲れは精神の疲れにも影響するので、仮に眠れない場合でも、目を閉じてじっとしていることが体を“休める”ことに繋がる。最後に、“役に立つ情報”ということで、信頼できる情報源を手にすることと、気持ちが向いたらニュースだけではなく楽しい動画や趣味に関連したwebサイトを観るなど、エンタメも効果がある」と述べた。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

映像:九州で記録的大雨

九州 大雨・土砂災害の警戒を
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九州豪雨 穂川気象予報士の解説
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