「健ちゃんは、ファンの人が思っている健ちゃんのままだ」。三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの山下健二郎の人物像について、同メンバーの登坂広臣が表した言葉だという。裏表がなく、飾らない、どんな立場の人間にも壁を作らない。そうした形容に、山下本人は顔をくしゃっとさせ、照れた素振りを見せながらも、うなずいた。但し、そのコミュニケーション能力は様々な活動をしてこられたからだ、と周囲への感謝を口にする。
三代目 J SOUL BROTHERSのパフォーマーとしてはもちろん、ドラマや映画、舞台、朝の情報番組、ラジオパーソナリティー、YouTubeチャンネルも開設し、山下のマルチぶりは年々色を濃くしていく。ひとつ、ひとつを着実に行ってきた背景には、「オンリーワンでいるために」という強い気持ちがあった。山下という人間の魅力について、また、7月17日(金)より全国公開される初主演映画『八王子ゾンビーズ』について、本人に聞いた。
『八王子ゾンビーズ』は信頼関係ができているからこその作品
――まずは『八王子ゾンビーズ』のことからお聞かせください。大好評の舞台を受けての映画化ですが、撮影に入る前、羽吹隆を思い出すために準備はされたんでしょうか?
山下: 1回、羽吹に戻したい気持ちがあったので、舞台の台本を引っ張り出してきて、もう一度読みました。しっかり思い出して、どういう作品だったかを掴みたくて。あとは、舞台のときからプライベートでも結構飯に行っていたので、作品に入る前に、小澤(雄太)と(久保田)悠来さんや、隅田(美保)さんたちと、ごはんに行ったんです。そのときは『八王子ゾンビーズ』の話にもなったので、振り返りができたことが役作りの助けになっていたかと思いますね。
――舞台を離れたところでも、作品の話をしているんですね。
山下: いや、基本はめっちゃしょうもない話ばかりですよ(笑)。男が集まると、ガキでしょうもないです(笑)。
――その舞台のときから鈴木おさむさんが演出されていて、今回は監督をされています。舞台の演出と違った点など、変化はありましたか?
山下: 舞台のときから衝撃的だったのが、長台詞でした。「冒頭10分くらい長台詞あるから、まず覚えてください」と、あっさり言われるんですよ。そうなったら台詞を入れるしかないので、詰め込んでいましたね。あと、基本的に舞台の演出は細かく決められることが多いんですけど、おさむさんの場合は特に決められないので、演者同士で相談していくような感じでした。僕らが決めたものを、おさむさんが見て「じゃあ、こうしよう」となっていくような流れで。アドリブから生まれたもの、リアルに作ってきたものを大切にされる方なので、今までなかったことでびっくりしました。
――映像でも、アドリブを大事にされたりなど、舞台のときと同じような感じで進んでいかれたんですね。
山下: そうですね。細かい演出はなく、基本的には僕らの意見をOKしてくれた感じでした。リアルな画、嘘っぽくないこと、その場で生まれたものを大事にしていました。だから、きっと素で笑っているようなところも、たくさん映像で使われたんだと思います。僕からしてみたら、きっと『八王子ゾンビーズ』の舞台をやって、めちゃくちゃ仲良くなって、信頼関係ができているからこそできる技だな、と思いました。
オンリーワンへの強い想い「LDHには絶対いないようなキャラクターでいたい」
――山下さんのフィルモグラフィーを振り返ると、台詞量が多かったり、キーマンの役どころが多いですよね?
山下: 多い、多いですね!
――本作も、『HiGH&LOW』シリーズも、『Love or Not』もですし、驚いたのは今泉監督の『mellow』でも、めちゃくちゃ長台詞がありましたよね(笑)。
山下: 『mellow』、ありましたね(笑)、本当ですね!最初、「友情出演」と聞いていたので「ちょろっと出て終わるのかな?」と思って台本を開いたら、「めちゃくちゃ台詞があるやんけ!」となって(笑)。うれしかったですけど。(『HiGH&LOW』の)ダンも台詞が多かったですしね。俺も格好つけて、皆みたいに黙っていたかったですよ(笑)。ただ、こういう(起動)役は、自分の強みにしたいな、というのは思っているところなんです。そもそも僕、コントやコメディがすごく好きなんです。
――東京03さんとも、やられていましたよね?
山下: そうなんですよ。03さんから全部、教えてもらいました。僕にとっては神のような存在の人たちなんです。単独ツアーを見たとき、しびれましたね。芸人さんのコントによっては、たまーに、親と見たら気まずいような内容とかも、あるじゃないですか?俺も学生の頃、経験してて(笑)。けど、03さんのコントはクリアな笑いが多いので、誰が見ても楽しめるんですよね。そこで笑いを取れるって、ものすごいことだと思いますし、何よりコントに対する真摯な姿勢を知っているので、学ぶことがすごく多かったですね。
――いろいろな現場であまねく吸収されて、自分のお仕事に反映していきたいと考えていらっしゃるんでしょうか?
山下: はい。例えば、「LDHってこういうカラーだよね」とかは、あると思うんです。僕は当然、先輩方に敷いてもらったレールに乗って走り出しましたけど、「オリジナルのものを作りたい」という想いが、すごくあるんです。先輩方がやられてきたものを吸収するのも大事なことですけど、自分ひとりになったときに戦えるものを見つけるには、人と同じことをしていたらダメだと、あるとき、すごく思ったんです。さらに言えば、オリジナリティを必ず持てば、LDHにもっと貢献できるという意味でも、「LDHには絶対いないようなキャラクターでいたい」と濃く思うようになりました。それに、僕にとってはその集まりが三代目なんです。7人がそう思っているはずだから、全員やることが違うんですよね。好きなものも違うし、「オンリーワン」でいたい気持ちが強いのは、メンバーからもガンガン伝わってきますね。僕も、ずっとそういう存在でいたいですね。
――「オリジナリティ」に関して、もはやアーティストさんや表に出る方々だけではなく、モノづくりに携わる人間にはマストで求められていることかなと感じました。
山下: 思いますね。ほかの業界でも何でも、新しいものを作るのは、ものすごく大変だと思うんですよ。いろいろ時間もかかるし、お金もかかるかもしれないし、挫折があったり、批判もあったりするでしょうし。「やめたほうがいいよ」と最初はいっぱい言われると思うんです。けど、そんなのは蹴散らして、自分を信じてやってほしいです。だって、自分が好きなことを表現するのは自由じゃないですか。信念を持ってやれば、形となって認められる日はくると思うので。そうなったら最強ですよ!
――山下さんは人に壁を作られない印象ですが、ご自身ではコミュニケーションについて、どう捉えていますか?
山下: よく言われます(笑)。確かに、壁は作らないですね。ひとつの理由としては、人見知りをしないからかな。誰に対してもフラットかもしれないですね。もちろん先輩や目上の方には礼儀をきちんとする、敬語を使う云々はありますけど、こと誰かに特別扱いをすることはないですかね。
――活動の幅が広いので、いろいろなジャンルの方と接することで、さらにその面が磨かれていった感覚はありますか?
山下: はい、あります。本当にいろいろなお仕事をさせてもらう中で、素敵な方とたくさん知り合えましたし、助けてくれる仲間もたくさんいますし。…この間ね、臣ちゃん(※登坂広臣)に言われたのは、「健ちゃんは、ファンの人が思っている健ちゃんのままだ」って。だから、僕は本当にありのままかもしれないです。テレビに出ているときも、ラジオをやっているときも、朝の生放送番組に出ているときも、こうした取材のときも、プライベートも、あまり変えていないですし、変える必要もないかなと思っています。
――逆に、山下さんから見て登坂さんや今市さんのヴォーカルチームは、どうご覧になりますか?
山下: 三代目のみんなは、そんなに変わらないと思います。ヴォーカリストは本当にスペシャリストだし、うちのヴォーカルは格好いいし、歌もうまいし。……って、同じグループのメンバーを褒めるのも、気持ち悪いですけど(笑)。よく「三代目は仲がいいですね」とも言われますけど、これが普通だと思っていますね。10年たっても俺らは変わらないです。…あ、臣ちゃんに関して言うと、めちゃくちゃ甘えん坊ですよ。俺にだけなのかな(笑)?
取材・文:赤山恭子
撮影:You Ishii
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— ABEMA TIMES (@ABEMATIMES) July 11, 2020
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締切:7月17日(金)#三代目JSOULBROTHERS @HACHIOJIzombies
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映画『八王子ゾンビーズ』
舞台を飛び出し、イケメンゾンビたちの個性が爆発! 歌って 踊って 成仏できる(!?)新感覚エンターテインメント誕生!
斬新な設定とインパクトのあるビジュアル、キャスト陣のコミカルなアドリブで中毒者が続出した舞台「八王子ゾンビーズ」。2万3000人以上の動員を記録し、大盛況となった伝説の作品を、舞台に引き続き、鈴木おさむが映画化!。圧倒的なパフォーマンスを誇る、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの山下健二郎が僧侶姿に、そして昨今熱狂的なファン続出の“2.5次元”で活躍するイケメン俳優たちがゾンビとなって勢揃い。ボケて、笑って、ケンカして、自由すぎるゾンビたちが、何でもアリの大騒ぎ! 果たしてゾンビーズたちは成仏できるのか!?
7月17日(金)より全国公開
Ⓒ2020「八王子ゾンビーズ」製作委員会