7月12日、立ち技格闘技イベントRISEが無観客大会『RISEonABEMA』を開催した。出場選手全員がPCR検査を受けるなど万全の新型コロナ対策を講じての開催。RISEとしては久々の大会となり、赤コーナーには主力選手がズラリと並んだ。
ステージには雰囲気抜群のセットが組まれ、独特の雰囲気で行なわれた大会のメインを務めたのは、RISEのみならず日本格闘技界の“顔”である那須川天心。昨年大晦日以来、つまり今年の初ファイトとなる。
この試合、那須川の相手を公募したことも話題になった。選ばれたのはシュートボクシングのフェザー級1位・笠原友希。那須川より若い19歳のホープだ。
下剋上を狙う笠原は序盤から真っ向勝負を挑んだが、那須川には付け入る隙がまったくなかった。「練習してきた」というフック主体の攻撃がキレまくる。
相手のパンチに合わせて左フックでダウンを奪うと、続けざまに右フック。最後も笠原の打ち終わりに完璧に合わせた右フックで3ノックダウン。わずか90秒でキャリア40連勝目を飾った。
あらためて次元の違う強さを見せつけた那須川はカメラの向こうのファンに向け「ただいま! 格闘技が帰ってきました!」。初の無観客試合で最高の結果を出し「違う世界を見せようと思っていました」と言う。実はフィニッシュの右フックは、試合前のミット打ちでも繰り返していたもの。「これで倒す」と決め、狙い通りに勝ったというところにも那須川の非凡さが出ていたと言えるだろう。
「ここから、また新たな格闘技のスタートです」
初の無観客試合でも、見る者を魅了した那須川。その言葉通り、自身の拳で“帰ってきた格闘技”をアピールした。
「これからもやりたいことがたくさんあるので。楽しみしかないです」
40連勝を飾っても、まだ21歳。可能性のほうが大きいのだから恐ろしい。
(C)RISE