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舛添要一東京都知事の政治資金の不正疑惑が止まらない。舛添氏の20日の定例会見では、「第三者の厳しい公正な目から見てもらう」といった趣旨の発言を連発し、まったく中身のない会見となった。「正月の温泉ホテルにおける会議に誰が何人出席していたのか?」という本人であれば分かりそうなことであっても、「第三者の厳しい公正な目に任せたい」と発言するほどだった。結局「第三者の」という言葉は40回以上も連呼された。

こうした政治資金の問題について、21日にAbemaTVで生放送された報道番組『みのもんたのよるバズ!』では、番組にとっては「第三者」の専門家である日本大学法学部教授の岩渕美克氏が登場。専門家としての見解を述べた。

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MCのみのもんたは、岩渕氏に「法律的には問題ないかな、という意見があるが……」と話を振ると、岩渕氏は政治資金規正法の組み立ては基本的に「虚偽記載」にあるという。

「嘘を書いていなければ……というところがあります。『宿泊費』なのに『会議費』と嘘を書いたらアウトですが、『宿泊費』ならば『宿泊費』と書けばいいんです。何をしたら『政治活動』にできるかってことは人によるので、人の判断によるし、グレーなものが多い。これは政治資金不正法の不備だと思います。かなり抜け穴があります。結局こうした法律もお金を使う国会議員が作っているので、甘くなるという批判はある。そこは、国会議員が身を正して気概を見せて欲しいと思います」

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岩渕氏によると、今回の件で一番の問題は月額44万2500円だという家賃問題だ。舛添氏の自宅兼事務所には舛添氏の関連政治団体と、妻が代表を務める「舛添政治経済研究所」が入っている。政治団体から、この家賃が振り込まれていたというのだ。

岩渕氏によると「自宅の中のどれくらいを使っているのか」で適正家賃が決まるという。そこで余った家賃は寄付扱いになり、それを記さねば虚偽扱いとなる。番組中では舛添氏の家の近くの不動産業者への見解も聞いたが、それによると舛添氏の家であれば20万円か25万円が妥当な家賃だという。30万円の家はこのエリアには存在しないとも語った。

◆舛添氏を辞任に追い込む方法はあるのか?

また、今回舛添氏が調査を依頼する弁護士らのことを「第三者」という言葉を多用したことについて、弁護士でこの日のコメンテーター・佐藤みのり氏は批判的だ。

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「弁護士ってのは法律の専門家なので、舛添さんの話にあった進退について、『弁護士の判断に委ねる』ってのは……(無理があります)。法的によければそれでOKではなく、あくまでも都民が見てどうかってところの判断。その判断は、舛添さんが自ら判断しなくてはいけないので、すべてを第三者に委ねるのは無責任」

同様に心理カウンセラーでこの日のコメンテーター・塚越友子氏は「第三者」という言葉遣いに込められた心理については「追い詰められているので、自己正当化をしている。『第三者の弁護士に…』、というのは、法や秩序に持ち込んで正当化しようってこと」と分析した。

また、岩渕氏は自民党の松島みどり元法務大臣が「うちわ」を配って大臣を辞めた例もあったと指摘。舛添氏が自分の顔の描かれた饅頭を大量購入していたことにも言及し、「こちらの方が寄付に近いので、選挙区の有権者に配ったのであれば公選法違反になる」とも述べた。

政治資金規正法は、政治家本人ではなく会計責任者を罰する法律のため、現状のままであれば舛添氏が知事の座に居座ろうと思えば居座れると意見。道義的には悪質ではあるものの、法的には辞任には至らないかもしれないようだ。さらには、都知事選をすると42億円~45億円の税金が必要のため、その選挙費用の問題など、色々都民は頭を悩ませることになりそうだ。

では、どうすれば舛添氏を辞任に追い込めるのか。岩渕氏はこう語る。

「都議会が追及し、百条委員会を作ってそこが調査をする。嘘をついたり、自白拒否をすれば罰せられる。猪瀬氏(前都知事)の場合は、百条委員会前に辞任したが、百条委員会が設立され、そこで調査される。これはかなり知事にとってはダメージがある。怖い存在になり得る」

そして、あくまでも大切なのは、政治家として自分をどう律するかって話だと結論づけた。


『みのもんたのよるバズ!』はAbemaTVにて毎週土曜日20:00~21:50にて放送中

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