5月24日、容疑者の取り調べ時に、録音・録画(可視化)が一部義務化することや司法取引の導入などを盛り込んだ「改正刑事訴訟法」が衆議院本会議で可決、成立した。法律の公布後、「録音録画」は3年以内、「司法取引」は2年以内に導入されるという。

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25日放送のAbemaTVメインニュース番組「AbemaPrime」では、検察の在り方検討会議委員も務めた、弁護士の郷原信郎氏に話を聞いた。

■取り調べを「録音・録画」のメリットとデメリット

郷原弁護士によると、録音・録画のメリットは「捜査員が、(自白を強要するなどの)乱暴な取り調べができなくなり、不当な取り調べの抑止につながる」こと。一方でデメリットについては、「弁護人もいないところで、2人だけの間で話したことが証拠になるのは、危険な面もある」と説明する。

■郷原弁護士「弁護人の立ちあいがない捜査手法に疑問」

また今回の義務化は、裁判員制度の対象事件など全事件の3%程度にしか適用されない。このことについて郷原弁護士は、

「範囲をもっと拡大する必要性がある。日本では弁護人の立ちあいがないが、(これは)検察側があくまでも直接証拠になるからという名目で(録音・録画するのであり)、不当な取り調べがあったことを認めたくない(から)。そういった方向からも取り調べのありかたを考えるべき」

とコメント。

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「司法取引」では、容疑者や被告人が共犯者の有罪を明らかにするなどした場合、検察官が起訴の見送りや取り消しなど、刑を軽くすることができるようになる。この取引には弁護人の同意が必要で、全過程に弁護人が立ち会うが、罪を軽くしたいために虚偽の供述をし、新たな冤罪が生まれる恐れも指摘されている。虚偽の供述には5年以下の懲役が科されるが、懸念する専門家は少なくない。

録音・録画の対象事件は限定される一方で、捜査の手法は格段に広がることになるが、問題点も残していることがさらなる議論を呼んでいるところだ。


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