「防ぐ」だけでなく「復旧する」建築家が考える有事の際に強い町づくりの方法
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 九州を中心に甚大な被害をもたらしている豪雨。熊本県人吉市では全世帯数1/3程度、特に人口や事業所が集中する市の中心部が広範囲に渡り浸水。コロナ禍と重なる「二重のダメージ」により、町全体が消滅してしまう危機に直面しているという。

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 被災地を視察した安倍総理は13日午後、一連の豪雨災害に関する対策本部を開催し、4000億円超の対策パッケージを7月中にまとめるよう閣僚らに指示。さらに政府は14日の閣議で、今回の豪雨を「特定非常災害」に指定することを決定した。

 建築家でモデルのサリーは、起こりうる災害に対しての備えについて「防ぐ」というだけではない考え方を示した。いつ起きるかわからない災害に対し「起きた時にどう復旧していくか、最悪の事態を長引かせないか。そういった視点で都市を作っていくのが大事」と説明すると、さらに「レジリエンス(復元力・回復力・弾力)という考え方がある。災害が起きてしまうのは仕方ないものとして捉え、なるべく早く回復を行う、都市のバックアップを取っておくという工夫が求められている」とした。

「防ぐ」だけでなく「復旧する」建築家が考える有事の際に強い町づくりの方法
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 具体的に、被害が起きた場合の影響が大きい都市部について「発電するシステムをビルに内蔵する」「ビルのインフラが壊れたら、隣のビルからエネルギーをもらう」などの取り組みで、既に都内でも普及が進んでいるものだ。

 また、事前の備えは一企業のレベルでも行える。「BCP(事業継続計画=Business Continuity Plan)という考え方で、なるべくビジネスを止めない、すぐにオフィスを復旧するというもの」と紹介。新型コロナウイルスの感染拡大が起きた際も、事前にパソコンを配布したり、判子の手続きを電子化したりと、すぐに在宅勤務に切り替えることができた企業もあったと指摘。災害の規模、時期も全て予想できないだけに、起きてしまった後に、すぐに動ける準備を求めていた。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

災害に強い「レジリエンス」な町を
災害に強い「レジリエンス」な町を
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