元介護士のEXITりんたろー。が明かす現実「自分の家族だとしたら、どこかでパンクする瞬間が訪れると思う」
【映像】ABEMAでみる
この記事の写真をみる(4枚)

 少子高齢化が進む日本社会で避けて通れない介護の問題。5年後に迫った2025年には、第1次ベビーブームで生まれた「団塊の世代」が後期高齢者に突入し、いよいよ国民の4人に1人が75歳以上に達する。これに伴い、医療機関の負担増、介護人員の不足が約38万人、そして社会保障の財源不足といった申告な問題に直面することになるのだ。

・【映像】

元介護士のEXITりんたろー。が明かす現実「自分の家族だとしたら、どこかでパンクする瞬間が訪れると思う」
拡大する

 家庭のレベルにおいても、今や介護世帯の半数を占める“老老介護”や、事故の危険性も指摘される、認知症の介護者を認知症の人が介護する“認認介護”、出産年齢の高齢化により、子育てと親の介護を並行せざるを得なくなる“ダブルケア”、さらに介護離職による収入減・再就職の難化など、様々な状況が予測されるのだ。

 この“2025年介護問題”に向けできることとして、国・制度「介護職員の処遇改善」「介護負担軽減の『新技術』開発→介護ロボット・AIの活用など」「最大の肝は少子化対策」、個人「高齢期のお金問題の検討」「医療・介護サービスの具体的な検討」といったものがあるという。(東洋大学ライフデザイン学部・高野龍昭准教授)

 さらに新型コロナウイルスによって、介護施設には「受け入れ人数、時間に制限」「感染対策で職員への負担増」「業務縮小による減収で経営難」といった影響が出ており、家族の負担増、そして“介護崩壊”の懸念も出ている。(東洋大学ライフデザイン学部・高野龍昭准教授)

元介護士のEXITりんたろー。が明かす現実「自分の家族だとしたら、どこかでパンクする瞬間が訪れると思う」
拡大する

 8年にわたって介護の現場でアルバイトをしていたEXITのりんたろー。は「高齢者に手を上げちゃった、殺しちゃったというようなニュースがあるが、本当に誰にでも起こり得ると思うし、“あ、こういうタイミングで手をあげちゃうんだ”ということが分かる。僕はお金をもらい仕事としてやっていたし、他人だからこそできたという部分があったと思うが、もし親が認知症になったらと考えると、同じことができるかなと考えてしまう。しかも、それが毎日となると、どこかでパンクする瞬間が訪れると思う。やはり周りの人がサポートしたり、施設が助けたりするなどのサポートが必要だと思う」と話す。

 「僕はバイトだったので時給だったが、正社員は給料が安く、入れ替わりが激しい職場だった。老老介護の問題で言えば、僕が働いていた現場にも、65歳の男性が面接を受けに来ていた。本当に、どっちが利用者かよく分からない状態が起こりうると思った。特に今はコロナでめちゃくちゃ大変だろうと想像している。特に高齢者の方は重症化しやすいし、一つのミスが死に繋がる可能性もある。認知症の方は自分で予防をすることができない」。

 EXITの兼近大樹は「僕はりんたろー。さんから介護の話を聞いて、自分には無理だなと思った。そうなれば施設に預けるといったことが必要だが、経済的な問題もあるし、“お前、自分の親の面倒も見れねえのかよ”と世間に言われてしまうんじゃないかという不安もある」と話す。

元介護士のEXITりんたろー。が明かす現実「自分の家族だとしたら、どこかでパンクする瞬間が訪れると思う」
拡大する

 テレビ朝日平石直之アナウンサーは「私の周りにも、40代、50代になってくると親の介護の必要性が出てきて、地方の実家にいる両親の元に通うようになる人がいる。そのうち、通うだけでは済まなくなり、会社を辞めて本格的に介護に当たることを選択される方もいる。基本的に子育ては段々と手が離れていくが、介護はどんどん大変な方向に進んでいくもの。先輩方の姿を見たり、話を聞いていると、フルタイムで仕事をすることは難しくなると感じる」と話す。

 『週刊東洋経済』の山田俊浩編集長は「私も将来の設計を考え、親に対して“今は元気だが、動けなくなったらどうするのか”という話をすることもあるが、本人はまだまだ強気でいるし、なかなか本気で話し合うのが難しいと感じている。テレワークの流れもあるが、介護をやりながら働くというのも、実際は難しいと思う」と話す。

 「介護人材の不足問題に関してはコロナ禍で止まってしまってはいるものの、インドネシアやベトナムなどの国と協定を結び、人材受け入れをやろうとしている。ただ、75歳以上の方が4分の1になるというのも、一つの通過点だ。さらに高齢化、長寿化が進んでいけば、本当に価値の転換必要になってくると思う。例えば寝たきりになっても生きていくことが幸せなのかといった議論も出てくるだろう。そういうことも考えなければ、持続可能な社会制度設計ができなくなる可能性がある」。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

「親の介護をしながらでも行ける大学を選んだ」全国に約4万人もいる"ヤングケアラー"の実態は? 元介護士EXITりんたろー。と考える
「親の介護をしながらでも行ける大学を選んだ」全国に約4万人もいる"ヤングケアラー"の実態は? 元介護士EXITりんたろー。と考える
この記事の画像一覧
この記事の写真をみる(4枚)