7月19日、後楽園ホールで立ち技格闘技RISEの「RISE140」が有観客で行われ、女子王者対決として注目を集めた一戦で、異彩を放ったsasoriの“ゾンビキャラ”に「怖すぎるやろ…」と解説者がドン引き。ネット上がざわつく場面があった。
初代RISE QUEENミニフライ級王者の寺山日葵(TEAM TEPPEN)と女子キックボクシングNJKFミネルヴァ日本ライトフライ級王者sasori(テツジム)の女子王者対決は、延長戦にもつれ込む激しい打ち合いの末、終始冷静な対応を見せた寺山が勝利した。
イベント自粛期間を経てRISE復活を印象づける今大会。プロデビューから16戦13勝で現女子王者と実力もさることながら、19歳の現役大学生。さらに那須川天心と同門と話題が尽きない寺山への期待は大きい。そんな正統派ベビーフェイスの前に立ちはだかったのが、異彩を放つ「女蹴」ことsasoriだ。真っ向から殴り合う強気なファイトスタイルでSB日本女子ミニマム級王者・女神に初黒星をつけ、女子キックの世界に衝撃を与えた選手だ。
(試合中に見せる笑顔とのギャップが大きすぎるsasori)
sasoriワールドは入場シーンから全開だった。黒いトレンチコートに深々とハットを被り、梶芽衣子の「怨み節」で入場。キックでは珍しい昭和歌謡での登場に「キャラ設定おかしい」「富士そばみたいだ」「トレンチコートで入場かよ」など、ネットではツッコミが殺到した。
1R序盤、sasoriが左ストレートを武器に前に出るが、寺山も長いリーチを生かしつつ、冷静にローや前蹴りなどで対応する。一方のsasoriは、距離を気にせず“ニヤリ”と不敵な笑みを浮かべると、前に出続けた。
2Rに入り、左一発で局面の打開を狙うsasoriに対し、前蹴りやミドルなど寺山の蹴りが冴える。しかし、ここでもsasoriは怯まない。それどころか、笑みを浮かべながらジワジワと前へ。そんなゾンビのような姿に、ゲスト解説を務めたRISEライト級王者の原口健飛も思わず「怖すぎるやろ…」とドン引き。同じくゲスト解説でキック経験もあるタレントの福井セリナも「超笑ってますよ。怖いですよ」と困惑気味だ。
3Rになり、寺山の右ハイキックがヒット。しかし、逆にその一発で“スイッチ”が入ったかのようにsasoriの左ストレートが当たりはじめる。寺山も蹴りやパンチで手数を稼ぐが、sasoriのヒザや右などを被弾する場面が目立ち始めると、緊迫した試合は延長戦へ。
延長戦でもリーチを生かした前蹴りや精度の高いショートの右を当てた寺山に対して、前に出続けたsasori。終始攻めの姿勢を“笑顔”で貫いたsasoriだったが、手数や有効打で上回った寺山が激戦の女子王者対決をものにした。
試合後、寺山は「王者らしい対決ができなかったというか…すみません。sasori選手本当に強くて、まだまだもっと強くならないといけないと思いました」と謙虚にコメント。判定ではあったが、RISE女子の顔として盤石の5連勝を飾った。
一方、敗れてもファンや解説者を魅了し、さらに震撼させたsasoriに対しても、ネットからは「女子で怖いキックボクサー初めて」「sasoriカッコ良すぎ」「ベストバウト」「根性がスゴイ」などといった称賛の声が相次いでいた。
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