その人としては良かれと思ってする批判。しかし、ときとして行き過ぎた「正論」は暴力になるーー。インターネットの世界では「正論で殴る」という表現が使われることがあるが、このネットスラングから生まれたメリケンサックが、ネット上で話題となっている。

「ときとして正論は暴力になる」現代社会を風刺したメリケンサック
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柴田阿弥キャスターがはめているのはスタッフが作った厚紙製のもの

 それは医療ロボットの開発・経営者でもある吉田りょうさん(@Mach1ne_4423)が製作したアクリル素材の「正論で殴れるメリケンサック」。吉田さんは、「正論で殴れるメリケンサック作りました。 論破出来なかった相手に正論パンチ(物理)をしたい方にオススメです。」というコメントと共に、2枚の画像をTwitterに投稿。拳にはめる武器・メリケンサックと同様に持ち手部分に指を通して握れるように四つの穴が空いており、その上部には「正論」という文字が象られている。

「ときとして正論は暴力になる」現代社会を風刺したメリケンサック
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 この「正論メリケンサック」は特に意図はなく趣味で作ったものだそうだが、Twitterに投稿したところ「ほ、ほしい」「正に『ぐぅ正論』」「振りかざすための大きいやつもお願いします」「いい武器ですね」「正論は時に人を傷つけるかもしれないということですね」などの声とともに25.2万件以上のいいねが殺到。吉田さんいわく「アクリルをレーザーでカットするだけなので1個1分くらいで作ることができます」と意外に製作が簡単なこともあり、販売を決定。価格は3500円(送料別)で、オプションで好きな文字を入れることも可能。昨日時点で100件以上の注文が入った。

 販売に踏み切った吉田さんだが、購入者に向けて「『正論メリケンサック』で人を殴ってはいけません!殴ると正論が(物理的に)折れてしまうので…つまり正論で殴っちゃいけないということなのです」と注意喚起。あくまで正論メリケンサックは武器ではないと強調している。

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 このニュースを紹介した「ABEMAヒルズ」にコメンテーターとして出演していたBuzzFeed Japan記者の神庭亮介氏も「正論メリケンサック」には興味津々で、「ネット記者をやっていると、正論というか、これが正しいんじゃないですか?と批判する記事を書かなければならないこともある。そういうときに、自分が正しいと思うことほど、殴るんじゃなくて優しく伝えなければいけないと戒めるためにも(手元に置いておきたい)。これは殴ったら壊れてしまう『正論』で、そういうところもアートっぽい。現代社会を風刺している」とそのメッセージ性の強さに惹かれている様子。柴田阿弥キャスターも「結局『正論』では殴れないということをこのメリケンサックから学びましたね」と感じ入っていた。

(ABEMAヒルズ/ABEMAより)

破壊力抜群?正論メリケンサック
破壊力抜群?正論メリケンサック
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