King & Princeとしての活動に加え、個人でも活躍の場をますます幅を広げている永瀬廉。2作目の主演映画『弱虫ペダル』が、8月14日(金)に公開を迎える。累計2500万部を超える同名の人気コミックを実写映画化した本作。あることをきっかけに総北高校の⾃転⾞競技部に⼊部し、仲間のために⾃分の限界や壁を越え、レースで勝利するための努⼒を覚えていく主人公・小野田坂道を永瀬が演じている。
永瀬は今年2月のクランクインに先駆けて、舞台の公演中だった昨年12月から自転車の練習を開始。撮影では自転車競技経験者のトレーナーが「プロでもキツイ」と話す坂を一発で上り切るなど、過酷な自転車走行シーンを見事に演じ切った。まさに“努力の人”という印象だが、本人にそのことを伝えると、謙遜した表情を見せる。謙虚にひたむきに頑張るその原動力は、どこにあるのか。話を聞いていくうちに見えてきたのは、坂道と同じくグループの仲間を思う心と、演じることへの喜びだった。
大変さよりも「ワクワク」多忙な中スタートした自転車練習
――舞台「JOHNNYS’ IsLAND」の公演中から自転車の練習を始められたとのことですが、体力的なきつさはありませんでしたか?
永瀬:ジャニーズの舞台は、お芝居も歌もダンスもメインというくらい、本当にいろいろなことをやるんです。その中での自転車練習だったので、やる時は休演日か、夜公演だけの日に午前中早く入ってやっていました。その頃は大変だったんでしょうけれど、今思うと大変だったという記憶はそんなにないです。
――大変だった記憶がないのは、どうしてだと思いますか?
永瀬:撮影自体が楽しみだったというのはあります。多くの方が知っている『弱虫ペダル』という作品に携われる、演じられるということにすごくワクワクしていたので、頑張れました。
――クランクイン後は過酷なロケの連続だったと思いますが、大変だったことを教えてください。
永瀬:コロナの影響で撮影が中断になったこともあって、寒い時期の撮影と暑い時期の撮影を両方体験しました。特に冬が大変で、気温が一桁しかない時に、上は半袖、下は膝上のユニフォームで撮影をしていたので、寒さで身体が凍り付きそうになりました。
――自転車の走行シーンについてはいかがですか?
永瀬:隊列という、1列に並んで走るシーンがすごく大変でした。自転車と自転車の幅をできるだけ詰めながら、タイヤとタイヤをギリギリまで近づけた状態で走るのですが、スピードを合わせるのがすごく難しくて、何回か撮り直しました。隊列から1人だけ離れていると隊列が崩れているように見えますし、リアルではなくなってしまうので。それに、渋滞が発生するメカニズムと一緒で、先頭が少しでもスピードを緩めると、後ろがどんどんブレーキをかける幅が大きくなってしまうんです。あらゆる面で難しかったです。
――反対に1番嬉しかったことは何ですか?
永瀬:今でも忘れられないのは、大会のスタートのシーンです。観客役の皆さんをはじめ、エキストラの方もたくさん集まって下さったんです。あれはテンションが上がりました。みんなと走りたい一心で頑張ってきた坂道にとって、大きな舞台で走れる喜びに満ちたシーンなのですが、坂道としてだけでなく、普通に永瀬廉としても楽しんでいました。「チーム総北で走れる!」と思うと、嬉しくなりました。
坂道から改めて教えられた、仲間のために努力する大切さ
――坂道というキャラクターを演じて、何か感じたことはありますか?
永瀬:「仲間のためだったら何でもする」と言ったら大げさかもしれませんが、そういう気持ちを持つことは改めてすごく大事だなと思いました。「この作品がいろいろな方々に観てもらえたらKing & Princeにも還元できる」というのもあって、さらに頑張ろうという気持ちになりました。
――本作は仲間との絆がひとつのテーマとして描かれていますが、永瀬さんご自身はどんな時にメンバーとの絆を感じたり、仲間っていいなと思ったりしますか?
永瀬:撮影中はあまりメンバーと会う機会がありませんでした。だから久しぶりにメンバーと会った時に、みんな面白くて笑わせてもらって「あぁ、いいなぁ」と思いました。
ロケ中に伊藤健太郎とランチへ「2人でワイワイ食べて」
――坂道は友達を作るのが苦手で、少し引っ込み思案なキャラクターですが、永瀬さんご自身は友達を作るのは苦手ですか?得意ですか?
永瀬:昔は友達を作るのがすごく苦手で、人見知りでした。親の仕事の都合で転勤が多く、それと同時に転校していたということもあって、話しかけてくれるまで自分から話せないような子供でした。その頃と比べると、今は人並みには友達を作ったり、話したりできるようになりました。
――今泉役の伊藤健太郎さんとは共演シーンが多かったと思いますが、関係性はいかがでしたか?
永瀬:かなり仲良くなりました。健太郎くんは(平野)紫耀とも共演していたことがあるので、紫耀の話もしましたし、あとは昼ご飯も一緒に食べに行きましたね。三重で撮影をした時に、名物の伊勢うどんを食べられるお店が近くにあったので、昼休憩に2人で歩いて行って、ワイワイ食べて、楽しかったです。
――永瀬さんが泊まっていた部屋に、鳴子役の坂東龍汰さんが来て2時間ぐらいお話されたとのエピソードを拝見したのですが、その時はどんなお話をされていたのでしょうか?
永瀬:お話というか、その時、疲れていて、とても眠かったんですよ。鳴子くん(坂東龍汰)は、役者について熱く語ってくれていたのですが、2時間のうち半分ぐらい、寝ていたのかな。何も覚えていなくて(笑)。すごかったです、あの時の鳴子くんと僕の温度差(笑)。ぽけーっとしながら、「へぇ~、なるほどなぁ~、眠い~」と思いながら聞いていました(笑)。
――ハードな撮影でしたものね(笑)。ちなみにその時、坂東さんに大量のお菓子を差し上げたそうですが、なぜお菓子を大量に?
永瀬:僕はお菓子が好きで、撮影終わりにお店でお菓子を買っていたのですが、泊まる日数と量が合わなかったので、これは食べきれないなと思って「少しあげる、おやすみ!」という流れで残っていたお菓子をあげました。
かつての日常が失われた今だからこそ「刺さる部分がある」
――『弱虫ペダル』というタイトルにかけて、自分が弱虫だなと思った瞬間を教えてください。
永瀬:家でお風呂からあがって、髪を乾かしていたらコバエみたいなのが目の前を通った時があって。「うわっ!」となって、左肘を壁にぶつけたことがあります(笑)。コバエにビビりました(笑)。こんなことで大丈夫ですか?
――全然大丈夫です!(笑)ありがとうございます。では改めて、作品の見どころをお聞かせください。
永瀬:何よりも一番は、やはり自転車のシーンです。レースの熱、疾走感。そこに関しては、本当に期待してほしいです。でもそれだけではなくて、坂道が人として大事な台詞を言っているので、当たり前にできていたことがしづらくなった今だからこそ、刺さる部分があると思います。一つのものに対して真剣に練習する姿、青春の尊さ、いろんな要素が詰め込まれている作品になっていると思います。
――最後に、今後演じてみたい役柄がありましたら教えてください。
永瀬:まだ全然回数は少ないですけれど、どんな役を演じても楽しいですし、得るものがあると毎回思います。どんどんくださいという感じです。どんな役でも頑張ります!
映画『弱虫ペダル』
8月14日(金)全国公開
■主演:永瀬廉(King & Prince)
■出演:伊藤健太郎、橋本環奈、坂東龍汰、栁俊太郎、菅原健、井上瑞稀(HiHi Jets/ジャニーズJr.)・竜星涼 / 皆川猿時
■原作:渡辺航『弱虫ペダル』(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載)
■監督:三木康一郎
■脚本:板谷里乃・三木康一郎
■主題歌:King & Prince「Key of Heart」(Johnnys’ Universe)
■制作プロダクション:デジタル・フロンティア
■協力:ワイズロード
■製作:「弱虫ペダル」製作委員会
■配給:松竹株式会社
■公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/yowapeda-eiga/
公式twitter:@yowapeda_eiga 公式Instagram:yowapeda_eiga
取材・テキスト:水野梨香
(c)2020映画「弱虫ペダル」製作委員会 (c)渡辺航(秋田書店)2008