プロ将棋界初の早指し団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」の決勝トーナメント、チーム永瀬VSチーム天彦が7月25日に行われ、第2局でチーム天彦のリーダー・佐藤天彦九段(32)がチーム永瀬・増田康宏六段(22)に勝利した。両者、詰むや詰まざるやの大熱戦は、残り時間わずか数秒というスリリングな展開に。“貴族”の異名を持つ優雅な佐藤九段が、序盤からワイルドな指し回しでチームに同日初勝利をもたらした。
▶中継:AbemaTVトーナメント 決勝トーナメント<チーム永瀬VSチーム天彦>
チームのサブネーム「まったり」とのギャップ全開だ。棋風は受けの佐藤九段だったが、序盤から見せたのは相矢倉からの積極的な攻め。手つきも普段の公式戦よりも力強さも感じられた。序中盤、リードを奪った進行だったが、最終盤では超早指し棋戦らしく、時間に追われてもつれる展開に。「怪しくなったところはあったと思う」と反省はしつつ、勢いのよさは衰えず、そのまま押し切るように勝利を手にした。
チームメイトの斎藤慎太郎八段(27)、阿部光瑠六段(25)の2人とは会議室で「まったり」トークし、盤上では「ワイルド」に。2つの使い分けでチームをさらなる勝利に導く。
◆第3回AbemaTVトーナメント
持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで対局。全12チームが4つの予選リーグに分かれて戦い、各リーグ上位2位までが予選通過。決勝トーナメントは5本先取の9本勝負で行われ、勝ち越しが決定した時点で終了する。1チームは3人で、各棋士は1試合につき最低1局、最大3局の範囲で指す必要がある。対局者は各対局前に決定する。優勝賞金1000万円。
◆決勝トーナメント進出チーム
チーム渡辺、チーム永瀬、チーム康光、チーム三浦、チーム久保、チーム天彦、チーム広瀬、チーム糸谷
(ABEMA/将棋チャンネルより)