「郵便をチェックするのにメールボックスを開けました。『あらまぁ、小包があるわ!』って」
当時の様子をこう話すのは、アメリカ・ユタ州に住むロリー・カリーさん。届いた小包には「宝石」と書かれていたが、中に入っていたのは注文した覚えのない「種」だった。
こうした郵便物が中国から届いたという報告がアメリカ各地で相次いでいる。バージニア州の当局では、種は侵略的な外来種の可能性があるとして、決して植えないよう呼びかけている。
一方、中国政府は郵便物に記載された「中国郵政」の文字は偽造で、情報にも多くの誤りがあるとし、郵便物を中国に返却して調査する方針を示している。
「いったい誰が何の目的で」「もしかしたら危険なものかもしれない」――。届いた人々に不安を与え混乱させている謎の種。実は、アメリカだけの話ではないようだ。ここ数日、日本でも「中国から謎の種が送りつけられて来たのでお知らせします」「中国からアメリカなどで届いている謎の種が数日前にうちにも来ました」という報告が相次いでいるのだ。
アメリカや日本で報告された種を見てみると、その種類は様々。植えてみれば答えは出るかもしれないが、農林水産省の防疫機関である植物防疫所は30日、注文していない植物が郵送されても開封しないよう注意喚起を発表した。
報告があがっている事例の植物は検疫を受けていない場合が多く、本来は日本に持ち込んではいけないもの。開封したり植えたりすることなく、そのままの状態で最寄りの植物防疫所に相談するよう呼びかけている。
横浜植物防疫所の業務部担当者によると、過去に似たような事例はないという。また、検疫していない種の危険性について、「海外には植物に有害な病害虫が発生していて、日本で発生していない病害虫が侵入しないように、検査を受けていない物を持ち込んだり植えたりしないよう注意喚起している」と説明。なお、これらの植物の種類については、「わからない。植物の種は似たような物が多くて、種だけで判断するのは困難」だとした。
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側