コロナ禍でお笑いライブの中止が相次ぐ中、笑いで日本を元気にしようと「コント村」メンバーを中心にお笑い第7世代若手コント師4組(ゾフィー、ハナコ、かが屋、ザ・マミィ)が立ち上がり、コント番組『東京 BABY BOYS 9』(テレビ朝日系)が企画された。
【地上波では2週連続放送!(※一部地域を除く)】
第1回:2020年8月1日(土)深夜0時35分~放送
▶︎映像:『東京 BABY BOYS 9』#1(ABEMAで配信中)
第2回:2020年8月8日(土)深夜0時35分~放送
「コント村」とは、ゾフィーの上田、かが屋の加賀、ハナコの秋山、ザ・マミィの林田からなるコントユニット。たびたび行ってきたトークライブは盛況で、チケットは発売から2秒で完売するほどの人気。コント村の“村長”は上田が務めている。
今回はそのコント村の村長であるゾフィー・上田を筆頭に、第7世代の若手コント師が『東京 BABY BOYS 9』に集結。お笑いだけでなく演技の才能も持ち合わせた4組9人のコント師による、全く新しい次世代ユニットコントが繰り広げられるという。今回、ABEMA TIMESでは『東京 BABY BOYS 9』の収録を終えたばかりの9人にインタビューした。
■ゾフィー 上田「このメンバーは夢追い人が多すぎる」
―― 第7世代の若手コント師が集結していることで、業界からも注目が集まると思います。収録を終えた感想を聞かせてください。
上田航平(ゾフィー):このメンバーは本当に仲がいいんですよ。それでいてお互いを“おもしろい”とリスペクトし合っています。そういう人たちと一緒にコント番組を作れるという喜びがあるし、そもそもコントのネタを全員で話し合って作るところから始めているので、ネタに対してみんなが積極的なんです。自分たちが描く「おもしろいものをやってやろう」っていう熱い気持ちがあるんです。
―― 本日も何本か収録していましたが、皆さんがアイデアを出し合って全てのコントを構築していったのでしょうか?
上田:そうです。全員でアイデアを出し合ってからキチンと台本にしていって、そこからまた皆でブラッシュアップするという感じでした。
―― 「そいや」(1分20秒ごろ~)というコントは全員が登場する作品ですが、原案は誰が作られたんですか?
加賀翔(かが屋):僕です。実際に「そいや、そいや」と子供をあやしているお婆ちゃんを目撃して、それがコントの元ネタになっています。けれど、かが屋の2人だけでは表現できそうもなくて。それを今回9人で作れる場を与えていただいたので「こんなのどうですか?」と提案させてもらいました。
―― このネタを受けて、秋山さんはどのような印象を持ちましたか?
秋山寛貴(ハナコ):とにかくワクワクしましたね。収録の1本目が「そいや」だったんですけど、1本目に相応しい内容だと思いましたし、ユニットコントならではというか、人のアイデアに参加する作業はものすごく楽しかったです。普段のネタを書く仕事とはまた違う感覚がありました。
―― 酒井さんはいかがでしたか?
酒井尚(ザ・マミィ):そうですねぇ……。えーと……。(ここから少し無言に)
サイトウナオキ(ゾフィー):特に何もないならしゃべらなくていいよ(笑)。
一同:(笑)
加賀:酒井くんは終わった後にすごく悩んでいたんですよ。スタジオで「すっごい後悔している。もう1回やらせて欲しい」とずっと言っていて。
酒井:僕、こう見えて意外とこだわりが強いと言いますか。でも終わった後に「自分だけおいしくなっても意味がない」と思って。全体をおいしくしないと。そういう意味で、周りを持ち上げるために「もっといい演技ができたんじゃないかな?」と悩んだ場面もあって、やり直しもさせていただきました。最終的にはすごいいいものが作れたと思います。
―― 2週連続で番組が放送されますが「いつかレギュラーに」という野望というか、みなさんでそういう話はしますか?
上田:そもそも休憩中にも「次はどんなコントをしようか?」と話をしているくらい、次を見据えています。「これがゴールデンになったらもっとおもしろいもの・デカいことができるんじゃないか?」って話もしているし、このメンバーは夢追い人が多すぎる(笑)。そんな仲間と一緒に番組が作れることに本当に興奮しています。
秋山:外ロケの移動中のバスの中で、まだ何も決まってもいない特番の話を番組プロデューサーの北野(貴章)さんとしていたくらいですからね。
―― かなり前のめりですね。実際に番組を収録したことで新たな刺激を受けたのでしょうか?
上田:やっぱり本番になると全然違う感覚になりましたね。
林田洋平(ザ・マミィ):さっきカメラマンさんに写真撮影をしてもらったんですが、そのカメラマンさんがめっちゃおもろい人で。これを次のコントにしたいねって話もしていました。
―― どんどんアイデアが沸き出てくるようないいムードが漂っているんですね。
林田:そうだと思います!
■『東京 BABY BOYS 9』に込めた意味
―― 『東京 BABY BOYS 9』はどういう意味でしょうか?
上田:東京の大きな赤ちゃん9人ってことです。
菊田竜大(ハナコ):ちげーよ。
上田:いろいろみんなでアイデアを出し合って、最終的にはプロデューサーの北野さんが全部決めました。
秋山:もっと違う言い方があるでしょ(笑)。
(※現場にいた北野氏によると「みんなにアイデアを出してもらって、その中から良いところを拾って作りました」とのこと)
賀屋壮也(かが屋):僕は『ゾハかザスタジオ』にしたいって言ったんですけど、まったく採用されていないんですが……?
林田:それぞれの頭文字を取って“ゾハかザ”を提案してたね。
―― ネタ作りは遠隔会議で行ったそうですが、何か思い出に残っているエピソードはありますか?
加賀:印象的だったのは会議中に菊田さんが「ちょっとすいません。おもしろすぎるな、コレ」ってみんなを止めたことがあったんです。「それはうれしい」「いいことじゃないですか」って言葉が出る中、菊田さんは「もうちょっと落ち着かせよう。つまらなくしよう」と言い出して(笑)。その発言を受けて、ボケを減らして、あえてつまらなくする作業の時間がありましたね。
―― それはどういう意図があっての提案だったんですか?
菊田:いや、本当におもしろすぎたので、あえてつまらなくしないと「多くの人が観てくれない」と思ったんですよ。お笑いフリークの人しか観てくれない危険性があるなと感じたので。ライト層も引き込まないといけない。
秋山:今日の収録を終えてどう思ったの?
菊田:ちょっとおもしろすぎたね。
一同:(爆笑)
賀屋:ヤバイ。つまらなくしないと(笑)。
菊田:明日の収録分は極力、つまらなくなるようにしたいね。スタッフさんにも極力笑わないようにお願いしないと。
秋山:そうかおもしろすぎたのか(笑)。
―― 『東京 BABY BOYS 9』に呼んでみたいゲストの方はいますか?
上田:やっぱりミュージシャンや俳優など、違う分野の方とコラボレーションしたいですよね。
―― 頭の中で思い描いている具体的な方がいたら教えてください。
上田:とりあえず、遠藤憲一さん!
サイトウ:とりあえずって言うなよ(笑)。でも、僕らめちゃくちゃ遠憲さん好きだからね。
岡部大(ハナコ):僕はぜひ、ウッチャンナンチャンとやってみたいです。
上田:ああー……。それは一緒にやってみたいなぁ……。
岡部:このメンバーは全員「笑う犬シリーズ」(フジテレビ系で放送されていたコント番組)を観て育ってきたんです。それと、僕らは“コント番組を作れない世代”だと思っていて、どのテレビマンとお話ししても、コント番組を作ることに難色を示していたんです。でも今回コント番組をやらせていただくことができて、いつかはレジェンドのウッチャンナンチャンと一緒にやってみたいです。
■ハナコ 岡部「間違いなく今までで1番観て欲しい番組」
―― 最後に番組を楽しみにしている視聴者に向け、1人ずつメッセージをお願いします。
上田:さっき岡部くんも言っていましたが、今までずっとできなかったコント番組をここでやることができました。「ここから俺たちがコント番組の歴史を変えてやる」そういう熱い思いでやっています。視聴者の皆さんにも“ここから歴史が変わるんだ”、そんな気持ちで観てほしいと思います。
サイトウ:一言でいいって言ってるのに長いよ。
加賀:坊主のノーカラー(この日着用していたシャツ)は思想が強すぎますよ。
一同:(笑)
上田:しばらくテレビで見られなかったコントを表現できていると思うので、そこには期待してほしいです!
サイトウ:観なきゃ損するし後悔すると思うので「観てくれなきゃチェ!!」だぜ。これでお願いします。
―― 続いて、菊田さんはいかがでしょう?
菊田:この番組のために、稽古をすごいしたんですよ。
―― どのくらいですか?
菊田:えーと、覚えてないですね。
一同:(笑)
菊田:そのときは収録スタジオの感じもどうなるかわかっていなかったし、そんなにおもしろくならないんじゃないかなって思っていたんです。でも今日実際に本番が始まったら芸人の底力というか、実力者が揃うと、こんなにおもしろいんだって思って。芸人のパワーをぜひ感じてほしいですね。
加賀:ちなみにどのコントでそのパワーを感じたんですか?
菊田:「そいや」だね。それが収録の1本目だったので、これはいけるかもしれないと。
―― 手応えを感じた?
菊田:はい。
秋山:てことは、稽古中の「そいや」はあんまりだったってこと?
菊田:稽古中の「そいや」はあんまりでしたね。
一同:(笑)
秋山:今回、台本担当としても参加していたのですが、僕個人は芸人になってから1番コントを書いた時期でした。この番組を観た人には、どんどんSNSやコメント欄に「おもしろい」や「つまらない」など何でもいいので感想を投げてほしいですね。皆さんの意見をぜひ呟いてください。
岡部:間違いなく今までで1番観てほしい番組なので、楽しみにしていてください!
―― 続いて加賀さん、お願いします。
加賀:サイトウさんは緊張すると目を閉じちゃう癖があるんです。でもコントを作っていくにつれ、どんどん目が開いて、顎もクッと引き締まって、成長のスピードがすごかった。サイトウさんの進化、自信があるときのイケメンっぷりをぜひ観てほしいと思います。
サイトウ:なんで1人だけを捕まえるの(笑)。
加賀:1本目の収録は自信がなさそうだったんですよ。でも最後はめっちゃ良くなっていました。
上田:僕もコンビ組んで初めて楽屋で「演技上手いね」って(サイトウに)言った。それくらいの成長スピードでした。
賀屋:この『東京 BABY BOYS 9』の会議が始まったのはちょうどコロナの影響で自粛が求められ始めた頃と同じ時期でした。会議も動画でやっていて、ライブができないという厳しい状況の中スタートした企画なので、そのときに感じたフラストレーションとかも全て注がれていると思います。芸人の気持ちが詰まった番組だと思うので、そんな部分を感じていただけたらと思います。
林田:お弁当がすごくおいしくて豪華で、テレビ朝日の期待の大きさを感じました。それと、やはり僕は『笑う犬』シリーズを観てきて育ったので、コント番組ができてうれしい。一生続いてほしい。
―― では最後に酒井さんお願いします。
酒井:早く帰って酒が飲みたいです。
一同:(笑)
酒井:い、いや、じゃあ本当に良いこと言って良いですか?
サイトウ:言ってください。
酒井:この『東京 BABY BOYS 9』は個性を殺し合うのではなく、それぞれの個性を生かし合っている番組です。はい……。
一同:(爆笑)
上田:本当にこの9人はすごくコントが大好きなんですよ。スタッフさんも皆楽しんでくれている状態の中で撮影を進めることができました。何の疲れも感じず集中しながらコントを作ることができて、そういう良い熱さみたいなものを、画面越しに感じていただければと思います。
(Photo:野原誠治)
(Text:中山洋平)